- 作者: 岩明均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/08/23
- メディア: コミック
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さて8巻の感想でも書こうか。と、言っても長くなりそうな話のほんの短い区切りのような気もするし、どうあがいても小並感しか出てこないのは明白だ。ならば、さらに区切って1コマ選んでみよう。おれには1コマある。さて、みなはどうだろうか? 手元の『ヒストリエ』8巻をめくって考えてみてほしい……。
おれの答えは。
132ページのスキタイ王アタイアスが「………………!」ってなってるコマでしたー。
いろいろあってマケドニア最強陸軍と戦うことになったスキタイの老王。屈強な騎兵団を持つとはいえ力量差は歴然。このページは3コマ。1番上のコマでエウメネスのナレーション(「王宮日誌秘書録」)とともに、御輿の上で「ぬううううううう」。真ん中のコマでアップになって「おおれ小倅ェ!!」と吠える。そして上のコマである。
この後、この王はどうなるのか。左ページ1コマ目で「戦いはマケドニア側の一方的勝利に終わり」と日誌と戦場跡。次のコマであっさり首だけになって登場。これである。
で、132ページ3コマ目に戻るけど、なんというかおれはまず不自然に感じた。敵兵が見えているのでもっと狼狽してもいいかもしれないし、遊牧民族の王として戦う姿勢を見せてもいいかもしれない。あるいはもっと、悠然と死を覚悟してもいいかもしれないし、まあなんだ、死を目の前にした王、あるいは人間にはいろいろわかりやすい、記号的ななんかがあるんじゃねえかと。でも、ただ「………………!」なんだな。犬みたいな顔して。なーんか気になるんだ。いや、伏線があるとか、なんかそういうんじゃなくてさ、すげえひっかかる。ひっかかると同時に、なんかいいコマなんだよ。無常観とかいうと言い過ぎかわからんが、「………………!」なんだなぁ、畢竟ずるに、みてえな。それで、このドライに首になって(干し首って意味じゃないよ)出てくるところ、これがなんともいえない味なんだなあ、とか。これが岩明均の味なのかなぁという。こういうのでいえば、たとえば『ヒストリエ』の……って、他の巻全部人に貸したままだ。あー読み返したくなってきたな。まあいいや。おしまい。
>゜))彡>゜))彡>゜))彡
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- 価格: 6,152円
- 作者: PEACH-PIT
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/07/19
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