日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は25日、自身が目指す「大阪都構想」を批判した民主党の大畠章宏幹事長について「悪口は僕の面前で言ってもらいたい。僕と公開討論をやったらいい。政治家として二度と立ち上がれないようにこてんぱんにやる」と挑発した。
http://www.asahi.com/articles/OSK201311250114.html
「こてんぱんにやる」に違和感をもった。「こてんぱんにする」、「こてんぱんにしてやる」、「こてんぱんになるまでやってやる」ならわかる。「こてんぱんにやる」というのはどうもおかしい。「こてんぱん」ってのは、やられたやつの状態を指す感じがする。むろん、しゃべり言葉の中で出てきたものだから、これで言ったやつがどうだとか言う気はない。あと、東と西の差もあるのだろうか? ただ、不安定な言葉を見出しに使う新聞社はちょっとどうかという気もする。
まあいい。ところで、「こてんぱん」ってなんですか?
半径2、3クリックで調べてみる。よくわからない。青空文庫の全文検索などしてみる。出てこない。「日本語大辞典」(講談社)、載ってない。「広辞苑」には「こてんこてんに同じ」とある。「こてんこてん(に)」。
「ぱん」はどっから出てきたんだ。
いちおう角川の「類語新辞典」をひいてみる。「こてんこてん」ならある。隣に「さんざん」があり、その隣に略語の「さんざ」、さらに強めの表現として「さんざっぱら」がある。「さんざんぱら」とも言うはずだ。ぱぴぷぺぽ。
よし、これを「こてんこてん」に応用してみよう。
「こてんこてんにしてやったぜ!」
「こてこてにしてやったぜ!」
「こてんこてんっぱらにしてやったぜ!」
「こてんぱんにしてやったぜ!」
……無理があるように思えてならない。
つーか、「ぱら」ってなんだ。太っ腹の「腹」と同じか? それと、こてこてにされたやつはどうなるんだ。新喜劇化するのか?
結局、この無内容もネットに流され、いつかだれかが「こてんぱん」の語源や由来を探すじゃまになるだけだ。慙愧の念を抱かずにはおられない……わけでもない。「ぱん」がなんだ。カメラが下からグイッとパンしてタイトルロゴがドーンだ。知った話か。おしまい。