森達也の『FAKE』を観てから、ドキュメンタリー映画すげえよな、『ゆきゆきて神軍』なんて、おれが観た映画の中で5本の指に入るもんな、とか思って、そういえば、たとえば原一男の作品とかあんまりしらねえな、と思って本作。
元同棲相手の妊娠、出産(原監督の子供でない)をドキュメンタリーにしている。『ドキュメンタリーは嘘をつく』では、さざなみを立てることで作品にする、みたいなことを言ってたけど、それどころじゃねえよな。だって、新しい恋人が一緒になってマイク向けてるんだぜ。それに、史上初(?)の「ハメ撮り」までしているんだから、なんともすごい。
とはいえ、圧巻なのは出産シーンに尽きるだろう。ピンぼけしているのは単純なミスで一世一代のミス、らしいが。映像特典の能町みね子との対談でも、せっかく新しいカメラを買ったのに失敗したと言っていたな。
原一男監督「極私的エロス」衝撃の出産シーンは「一世一代のミス」 : 映画ニュース - 映画.com
衝撃的な出産シーンについては、「メガネをかけてファインダーをのぞいていたので、汗でくもってしまった。ピンボケしていたことに気づいた時は『しまった!』とショックで青ざめ、『あんたバカね!』とののしられた。作為的にぼかしているように見えるけれど、あれは私が起こした一世一代のミス」と明かし、笑いを誘っていた。
それでもって、女性というものの産みの苦しみというものと、産み終えたあとのなんとも言えぬすがすがしい表情、「気持よかった」というその顔(これはピンぼけしてない)に、「ああ、なんかすげえや」と思わずにはいられなかった。
沖縄へ向かうだの、共同生活だの、女性の解放だの、時代背景はいろいろあろうが、ともかく、やはり、衝撃的な出産シーン(それも二回ある)は観ておくべきだろう。そしてまた、被写体と撮影者が共犯的な関係にあるともいえるドキュメンタリーのあり方についても考えさせられるところがあった。以上。
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これは必見でしょう。
これはなんと中学か高校のころ、授業の一環として学校ご自慢のシアターで観させられた。すごい寝た。井上光晴とかよくしらないもの。金子光晴だったら起きてたかもしれない。