人はなぜ眠らなきゃいけないのか?

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ここのところ、朝がまったく駄目だ。寒くてお布団から出たくない、というのもある。あるけれど、「これは双極性障害が鬱側に振れている結果の過眠だな」という感覚もある。休日には平気で15時間くらい寝ている。こんなことを人に言うと「寝るのにも体力が必要だから若い証拠だ」などとわけのわからない答えがかえってきた。

だいたい、なんで人間は眠らなきゃいけないのか? 至近要因ではなく究極要因が知りたい。とりあえず、1日7時間なり8時間なり眠る人間が淘汰されず生き残っているというのが現実だ。

逆に、ひょっとすると人類の遠い遠い祖先には、1日24時間戦っていた連中がいたかもしれない。いたかもしれないが、そいつらは滅んだ。活動時間が長ければ長いほど生き残れるわけじゃなかった、ということか。それはたとえば、どっかで隠れて寝ているほうが、捕食者の目に入らなかったということか? そんなこともあるかもしれない。

だが、たぶん、至近要因であるところの、脳を休めることの効果が大きかったのだろう。そっちのほうが、効率的に生存に寄与した。種の存続に有利だった。睡眠による危険を、メリットが上回った。人間に限らず、睡眠のメリットは大きい。考えてみたら、猫なんてどんだけ寝てるんだ。あいつらだって、野生のころがあったろう。ああ、ライオンとかもすげえ寝てるな。効率がいいのかな。必要以上にエネルギーを消費しない。脳と身体を休める。寝込みを襲われるというデメリットを上回る。

とはいえ、これからの人類はどうであろうか。睡眠がもたらす大きなメリットを薬剤その他によってカバーできるようになるかもしれない。寝なくてもいい人間になれるかもしれない。いや、なるべきなのだ。これからの時代、睡眠時にUFOが誘拐しに来るとか、妖怪が枕をひっくり返したりするとか……あるわけじゃないが、ともかくどっかの草原で暮らしていたころに比べれば、寝込みを襲われることもないだろうし。

いずれにせよ、これからの時代、労働はAIやロボットがすごく頑張ってくれるだろうし、人間、やることがなくなるのだ。思う存分遊べるのだ。遊ぶ時間は長いほうがいい。朝は寝ていたいが、夜は寝たくない。永遠の夜更かし。労働のための覚醒時間じゃあない、遊ぶための覚醒だ。

……とか書いていても、生理的な部分がそれを否定する。脳が「なに書いてるんだよ、眠らせろよ」と言ってきている(自分の脳の声が聴こえるという幻聴はあるのだろうか?)。まあともかく、おれは脳の病と睡眠時無呼吸症候群によって、睡眠に裏切られている。いつか人類が睡眠というものを完全に出し抜くのを信じたい。むろん、そんなころにおれは永遠の眠りについていることだろうが。