2005年に史上2頭目となる無敗の三冠馬となるなどGⅠを7勝し、また、種牡馬としても2012年から昨年まで7年連続してリーディングサイヤーに輝くなど数多くの記録を打ち立てたディープインパクト号(牡・17歳)は、北海道勇払郡安平町の社台スタリオンステーションに繋養されておりましたが、本日(7月30日(火曜))の早朝に死亡したとの連絡がありましたので、お知らせします。
おれはおまえほど楽しそうに走った競走馬をみたことがない。
競走馬は己の運命を知ってか知らずか、死にものぐるいで走る。
そこには簡単にはすまされない悲愴がある。
しかし、おまえにはその悲愴が感じられなかった。
かけっこが大好きで、とても得意にしている坊やが、
「見て! 見て! ぼくはこんなに足が速いんだよ!」と、
そんなふうに走って、悲愴の運命に抗う馬たちを、
あっという間に抜き去っていった。
おれは競馬を見始めてから、四半世紀近くが経つ。
おれはたくさんの強い馬をみた。
おれは鍛え上げられた凄まじい肉体の馬をみた。
おれは信じられないようなごぼう抜きをする馬をみた。
おれはとても強いのに、それ以上にとても癖のある馬をみた。
おれは想像もできないタイムでゴール板を駆け抜ける馬を見た。
しかし、ディープインパクトよ、
おまえのように楽しそうに走る馬を見たことはない。
思い込みだとだれかに言われようとも、
それは断言しよう。
そして、おまえの行くところには、
何百年走りつづけても、
まだ足りないほど多くのかけっこ上手たちがいるだろう。
鞍上に武豊はいるか? いても、いなくてもいい。
ただ、好きなだけ走れ。
好きなように走れ。
ゴール板なんてどこにもない、ただ野を駆ける夢になって。
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「今の気持ちは、ふぬけになったような、悲しいような、寂しいような。でも、あと1年間走りを見守るには、私のハートは小さすぎた」。