難実況馬名について

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Yahoo!にこんな記事があがっていた。

宝塚記念に負けない!? アナウンス泣かせ『難読馬ドリームレース』現役アナが選ぶ最強馬とは…(ラジトピ ラジオ関西トピックス) - Yahoo!ニュース

アナウンス泣かせ『難読馬ドリームレース』現役アナが選ぶ最強馬とは……である。これはおもしろいと思った。おれはものの「名前」というものが好きである。言うまでもなく競馬を愛している。Yahoo!の記事は消えてしまうので、自分でいくらか書き留めておきたい。

【着外】
マコトナワラタナ、ロドリゴデトリアーノ、アヌラーダプラ、ストラテジックチョ、ドクトルレヒトミユ、クイーンカアヌマフ
「特に問題なし」

まずは「着外」から。おれはアナウンサーっでもなんでもないが、「ロドリゴデトリアーノ」が読みにくいと思わない。なんなら、リズム感があっていいくらいの名前だ。ストラテジックチョイスだって読みやすいだろう。とはいえ、「マコトナワラタナ」、「ドクトルレヒトミユ」あたりはつらそうに思うのだが、やはりプロには簡単なのか。

【11着】 リュヌルージュ 「ラ行が苦手な人は苦しむ」

おれはどうも「ラ行が苦手な人」なのかもしれない。いや、けど、これすんなり読めねえよな。「ヌ」と「ル」がつながる部分がむずかしいよな?

【8着】
ラペルドゥリデュ
「やや難しいが、練習次第でクリア可能」

「リデュ」が辛い。

【6着】
カルビアブリカルビ
「克服可能。切り目をしっかり言えると大丈夫だが、言い間違う可能性大」

発音以前に、こんな馬名の馬がいたのかよという。金沢と高知で走っていたタイムパラドックス産駒。ロイスアンドロイスみたいな感じ……でも、「アンド」と「アブリ」では難易度が違うか。

【5着】
マラコスタムブラダ
「最後の『ム』と『ブ』の連続音が“すべる”恐れ大」

音がすべる以前に、目がすべる。どこで切っていいかわからない。というか、何者? と思ったらレシステンシアのお母さんだった。アルゼンチンの馬。意味はというと……。

https://www.spanishdict.com/translate/malacostumbrada

1. Having bad habits or customs (vicioso).

言葉は切れねえし、あんまりいい意味じゃねえし、これは難解な馬だ。

【3着】
モミジプボブ
「これも難読馬名。母音もウオウとよく似た口の開きに加え、パ行バ行の連続音のため、かなりやっかい」

この馬名は別冊宝島の競馬読本を読んでいたような人間にはおなじみである。冠名のモミジに父馬のビショップボブの「プボプ」をひっつけた、実に珍妙な名前なのである。おまけに実況もしにくいらしい。ビショップボブの名前はこのモミジプボブとともに語り継がれるであろう。

【2着】
カポデテュティカピ
「きつい。後半のタ行の連続音は難しい。つい、違う音を発してしまう」

これは見るからにえげつない。「なんかえげつない名前の馬いるな」と思ったことあるかもしれない。もうこのあたりになると馬主からアナウンサーへの挑戦状といったレベルじゃなかろうか。ちなみに父はカポーティでもなければデピュティミニスターとかフレンチデピュティではなくティズナウ。

【1着】
バミュバミュミュエ
「最初の破裂音で息を出してしまい、さらに追い打ちをかけるようにマ行が続くのはなかなか難読」

「カポデテュティカピ」のほうが強そうだが、プロにとってはこちらが厳しいらしい。なるほど声に出してみると単体では言えないこともないが、実況の中では辛いものがあるかもしれない。どんな馬かと調べてみたが、この記事くらいしかヒットしないので正体不明。

……というわけで、アナウンサーにとっての難読馬名の話でございました。馬主様におかれましては、もうこれは好き勝手名前をつけていただいて、「なんじゃこりゃ」ってのをガンガン出していただきたい次第でございます。以上。