このごろのおれの労働について(履歴書のない人生)

またBooks&Appsさんに寄稿いたしましたので、みなさまよろしゅうお読みくだされませ。

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で、意識の低い会社員、このごろどうかというと、コロナ大流行の春に比べたら仕事はある。あのころは凪だった。おそろしい。

とはいえ、凪でなくなったとはいえ、この秋、やはり凪のような日もある。一方で、思い出したように忙しい、というか、まあ普通に仕事のある日もある。両極端な感じがする。このままで生きられるとは思えない。普通に仕事のある日があって、たまに残業がなきゃ話にならない。吹けば飛ぶような零細稼業。

しかしなんだな、この、たまに凪のような日がある日々というのは、楽といえば楽だ。会社の儲け、おれの給料ということを考えなければ、このくらいぼんやりしていてもいい。むしろ、人間、このくらいぼんやりする時間があっていいと思う。

おれはそもそもぼんやり生きていたい。そのそもそもがいつ芽生えたかといえば、いつだろうか。ひょっとしたら、幼い日のころからの気持ちであったかもしれないし、労働の真似事をし始めたころからかもしれない。大学中退からぬるりと個人事業主になって、さらにいつの間にか正社員になっていたので、なにかよくわからない。おれは、おれがいつから会社員という身分になったのか、はっきり分かっていない。「はっきりと」ではなく、「はっきり」わからない。

というわけで、もしもおれが今後、履歴書を書くようなことになったらたいへんに困る。いつ大学を中退したのかもわからない。一度引きこもると、カレンダーが消えるんだよ。引きこもったことがある人ならわかるだろう? 

できれば、もう、一生、履歴書なんて書かないで生きて、死にたい。もしもそうなったら、わりとなんか、そんなに悪くない人生のように思える。履歴書のない人生。もしも死んだら塵芥。死体は大岡川に流してよい。

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