2020年 ジャパンカップ回顧

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おれの夢は半分かなって、半分かなわなかった。見事に三歳三冠馬二頭が二着三着を占めてくれたからだ。馬券上は当たりだが、トリガミもいいところだ。

それでも、よかったんじゃないか。おれはそう思う。おれが三強一角崩しを願っていたカレンブーケドール、ユーキャンスマイル、グローリーヴェイズが届かなくても、これは美しい風景だ

……それにしても、ユーキャンスマイル絡みの馬券のオッズなど見たら、本当に金に目がくらむ感じになっていたのだが、まあいい。

レースはキセキの大逃げ。ここまで逃げるとは思わなかった。「これはキセキの大逃げが決まるんじゃないのか」とすら思った。浜中はいい演出をしてくれた。いや、演出なんかじゃない、キセキにとって勝つための方法をとったのだ。

それぞれの馬が、勝つために最良の方法をとった。そしてアーモンドアイとルメールが勝った。コントレイルは二着したデアリングタクトは三着した。三冠馬の意地を見せた。おれの馬券的には面白くないが、これでよかったんだと思う。

アーモンドアイがターフを去る。おれがアーモンドアイという馬を考えるとき、一番最初に再生されるのはシンザン記念だ。でたらめな位置から差し切った。「でたらめ」なのが、名馬の条件だ。そう考えると、コントレイルの皐月賞も「でたらめ」だったし、デアリングタクトの桜花賞も「でたらめ」だった。でたらめの馬は、まだターフを去らない。グランアレグリアのようなでたらめな馬も残っている。フィエールマンだって、ラジオNIKKEI賞の脚はでたらめだったぜ(二着だったけど)。

そんなでたらめな連中がいて、そこまででたらめでない実力馬が上を目指す。競馬は続く。馬は薔薇のために走り続ける。おれは馬券に金を吸い取られ続ける。またアーモンドアイのような馬が出てくるかもしれない。それはおれの死後かもしれない。

だからといって、それのどこが悪いというのか?