『イジらないで、長瀞さん』1巻~10巻のそれぞれの見どころを紹介したい

本日、『イジらないで、長瀞さん』の10巻を入手した。現在、ネット通販の主たるサイトでは品切れになっている。やがて流通するだろう。とはいえ、おれはすぐに10巻を読みたかった。おれはそれを伊勢佐木モールの有隣堂で入手した。神よ、讃えよ、有隣堂の地下を。

というわけで、せっかくなので(せっかく?)、『イジらないで、長瀞さん』の漫画のすべての巻の見どころを紹介したい。

 

 

センパイと長瀞さんとの出会いの巻である。というか、出会わなければ話は始まらない。とはいえ、1巻の長瀞さんは積極的すぎるところもある。やはりスタートダッシュで読者の興味を惹かなければならないのかな、と余計な想像をする。

して、この巻の最大の見所はやはりp.142~143の「ご褒美」のシーンであろう。この後の展開からすると「やり過ぎた!」というところであって、アニメ第一期でもラストに配されたシーンだが、読んでいてとろけてしまうところがある。

 

 

アニメでは長瀞フレンズバージョンで描かれた「異世界転生もの」から始まる2巻。問題のチクビ当てゲームもある。が、やはりp.106~108が最高であろう。自分らしきキャラを描かれた長瀞に、最高にセンパイの魅力が刺さった瞬間である。p.108は後に逆転して繰り返される構図でもある。

 

 

馬乗りの「がんばれ、がんばれセンパーイ」やら刈り入れやら長瀞の部屋に行くやらいろいろある巻だが、あえてとりあげたいのは……p.106のライン交換のちょっと違うような絵柄もいいのだが、 p143のやらしーシーンをあげたい。長瀞さんの真なるSっぷりの内面が表に出てくることは、今後少なくなってくるからである。海水浴回は、アニメの話にもなるが、「ああ、あの葉山の海岸に出るところの道!」という感じがあった。

 

 

夏祭り、「帰ろう」、とげ抜き、ランニングと見どころ多い巻。どこを選んでいいかわからないのが正直なところ。それでもやはりp.98の長瀞の表情が一番かと思う。あまり関係ないが、p.123~124の二人ストレッチは、おれと女がよくやっていた覚えがある。フュージョン? は、足と足が接していないと力が入らないと思うが。「おまけ」の『はじめの一歩』ネタ。やはりフリッカーを真似したくなるか。

 

 

エロ本隠し問題で、今までもあったガモちゃんと長瀞との対決がクローズアップされた。このガモちゃんらのフレンズの「イジり」が面白いよな、この漫画。そして、桜との「デートのふり」回。これもアニメの話になるが、はっきりと「逗子駅」だった。おれは逗子の学校に六年通った人間である。逗子銀座、いまはおしゃれになってんのかなー。でも、映画館ねーよなーとか思ったりしたり。そんななかでも、「センパイがうっかり」系で長瀞赤面パターンの留年妄想回のp.86~p.87がいいよな。でも、「本当にコスプレしてきた」のp108~p.109も好きだ。それを見てドン引きのガモちゃんとヨッシーも。

 

 

アニメでは最終エピソードとなる文化祭回の6巻。表紙からしていい。「素材の段階」で拗ねる長瀞さんもいいが、「長瀞が一番刺激的だから」(アニメだと「魅力的だから」)のところもいい。とはいえ、最高なのはセンパイが思わず「長瀞のかわいさ」と口走ってしまうp.78~p.79が至高であろう。『長瀞さん』は、この、「ん?」、「はっ!」のやり取りよ。

 

 

話的には動物園回が中心だろうか。なんとなく野毛山動物園のような気もするが、野毛山動物園は無料だ。ほかには「近い将来」想像、妄想が入るようになったのもこの巻からか。とはいえ、一番の注目点というか、そういうのは、第53話の「センパイ、早く履かせて下さいよ~」ということになるか。長瀞さんのドSさが出ている、良い回だ。とはいえ、p.96の「ウチのセンパイに何か…?」の怒りの表情がとてもよい。

 

 

長瀞さんもタイツを履いて季節の移り変わり。「ササエさん時空ではないぞ」という進行。それでよいとも思い、一方で少しさみしさもあり。見どころは風邪をひいた長瀞さんの家訪問だろうか。はやりあのあたりならマーロウのプリンよな。姉瀞も登場。お兄ちゃんはどこに行ったのか(あとのコンタクトレンズ回でも言及があったので、設定変更はないのだと思うが)。長瀞さん柔道エピソードの伏線回でもある。して、この巻では風邪で弱みとだらしなさを見せてしまったp.128がかわいすぎるだろう。まったく。ちなみに、姉瀞さんを見て、不動卿オーゼンを思い浮かべてしまった。目の描写が似ているだけなのだろうが……。長瀞の「下の名前」問題が一気に決着してしまうところは好き。おまけの「私とネコミミ女とだ」の部長の圧も嫌いじゃない。

 

 

 こんどはセンパイの風邪回である。窓にへばりつく長瀞さんからしていい。そして、何よりも熱発したセンパイの夢、妻トロが最高である。朦朧としたなかにあって、長瀞の下の名前を呼んでしまうところ、その長瀞さんの反応も最高だ。p.58~p.60だ。その後の展開もすばらしい。いい歳して(本当におっさんなのにごめんなさい)、ドキドキしてしまう。別エピソード、柔道伏線で、ガモちゃんが「いい構えしてんじゃん」っていうところも好き。つーか、クリスマス回で、お互いに「ゴクリ」とするところもいいよな。もちろん、プレゼント渡したところの顔も。

 

 

これを書いている時点で最新刊。おれはアニメと単行本でしか追っていないので、今のところこれが最新にして最後である。して、作中時間は新年を迎える。巫女姿長瀞さん。センパイの「待ってる」(にちゃあ)のストーカームーブには笑えた。その後のp.34からの「仮に付き合いたいとして」の会話もいい。そしてとどめはp.40の長瀞さんである。これには本気になるだろうよ。で、この巻からセンパイはメガネをやめてコンタクトレンズにする(コンタクトレンズを始めるには眼科で試着とかすると思うのだが、まあいいか)。スキー回ではセンパイの同級生が顔ありとして描かれる。センパイ以外の男性が顔ありで描かれるのは初めてではないだろうか。あと、センパイの同級生が描かれるのも(絵のモデル断られるときくらいか)。イケてる女子グループと顔なじみで、センパイもすっかりリア充なのだ。それはそうとして、第77話の扉絵の、ガモちゃんと長瀞さんの並んだ絵はなんかかっこいいよな。その後の、p.152で柔道の抑え込みを「重い」と言われて切れる長瀞さんも珍しい。そして、p.164の「何それ」の表情も今までは見られないものであった。うーん、続きが気になる。

 

と、ここしばらく『イジらないで、長瀞さん』ばかり読み返しているおれの感想である。せっかくこんなに読んでいるのだから、なにかまとめておきたかったという情念である。おれはあまり「ラブコメ」というジャンルに惹かれたことがなかったのだが、いったんはまってしまえばこんなにちょろいのである。とはいえ、ほかの「ラブコメ」に手を出そうという気にはならない。来月に発売される最新巻を待つだけである。もちろん、アニメの第二期も。

以上。