いまさらアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』を全部見た

こないだNetflixに加入した。とりあえず『範馬刃牙』を見た。次になにを見ようか。おすすめ欄にアニメが並んでいる中に『Re:ゼロから始める異世界生活』があった。そうだ、おれはこれをよく知らないのだ。せっかくだし見てみるか、と思った。

……と思って、金曜の夜見始めて、新編集版(アニメ一期)を見終えたのが翌朝の十時ごろだった。完徹である。ひさびさのことである。

なぜそうなったのか。それはもちろん作品が面白かった、というのはある。その話は後にする。あと二つ理由がある。一つには、新編集版が一話一時間であるということに気づいておらず、気づいたら時間が立ちすぎていた。

もう一つは、Netflixの仕様でエンディングに入ると自動的に次のエピソードの読み込みが始まって、次のエピソードのオープニングになるとオープニングをスキップできる。これがたとえばテレビ放送を録画しておいたものなら、適宜CMなどが入って一区切り、今日はここまで、がやりやすいのだが、それができない。Netflixの海外ドラマなど何シーズンにもわたって膨大な量があって入りにくいところがあるのだが、一度入ってしまうとこのシステムで見続けられるのかもしれない。

というわけで『リゼロ』である。まったく知らないというわけではなかった。

 

オーバーロード』、『幼女戦記』、『このすば』、そして『リゼロ』のクロスオーバー作品である。おれは『リゼロ』以外はすべてアニメを見ていたので、これも見た。これも見たが、『リゼロ』部分はよくわからなかった。ただ、なんとなく「この青い髪の子のイラストは見かけることが多いような気がする」とか思った。

そのときとくに「見たい!」となったわけではなけれど、わざわざ配信に金を払うほどでもないし、目の前に新しいアニメはどんどん放送されているし……という具合だ。

が、見始めてしまったのだな。そうしたら、なんか一話は見覚えがあった。一話しか見覚えがなかった。たぶん、一話で切ってしまったのだろう。なにせおれは『鬼滅の刃』も二話くらいで切った人間である。先を見る目がない。

いや、アニメに限らず作品との出会いにはタイミングというものがある。買ってみたけどなんとなく読まないでいた本を、あるときふと開いてみたら大ハマリしてしまったり、好きなアーティストのニューアルバムを買って聴いたらピンとこないで、その次のアルバムが出たくらいで聴き直してヘビーローテーションして「これが名作アルバムだ」と思ったり。後者に関しては、たとえばBeckの『Sea Change』なんだけど。

 

Sea Change by Beck (2002-09-24)

Sea Change by Beck (2002-09-24)

  • アーティスト:Beck
  • Geffen Records
Amazon

 

というわけで、なんかわからんが、こないだの金曜日の夜がおれ『リゼロ』の出会うタイミングだったんだよな、と。でもって、この作品、原作の「なろう」からすると、かなり時間の経っている作品なんだろうな。異世界転生もののなかでも早いほうだろうか。主人公が異世界転生ものについて言及しているので、もうそういうジャンルは定番としてあったのだろうけれど。

そうだ、異世界転生ものだ。ただ、主人公が「俺TUEEE」でなく、少しだけ運動能力の高いただのニートだ。いや、その性格というか、精神は物語の主人公たるべきものだが、とにかくそれ以外は普通だ。

ただし、「死に戻り」をする。死ぬと、ある時点に戻る。記憶は残っている。そして、なんども自分が死んだり、大切な人が死んだり、失敗してはやり直す。その死にっぷり、殺されっぷりがかなりえぐぐ、「あ、こんなにえぐいんだ」と思った。ネタバレに注意しつつWikipediaを覗いてみたら、「ダークファンタジー」と分類されていて、そうだよな、と思ったりもした。

して、その死に様もえげつない。ギャグタッチのお気楽な死としては描かれない。身体を欠損して、はらわたをぶちまけて死ぬ。苦しんで死ぬ。そんなのを繰り返すと、主人公も気が狂ってくる。暴力描写というよりも、その精神が壊れていく感じが悪くないんだよな。

とはいえ、その悲惨さをカバーするギャグタッチがあるのは確かで、それは主人公の性格そのものでもあって、むしろ作品の前面に出ていて、その塩梅がいい。シリアスとダークと、そしてやけに熱血。そうだな、やけにかっこよすぎるし、かっこつけすぎだし、ともすれば行き過ぎな主人公のキャラを、なんだかんだでいい具合にしているんだな。うん。

それで……って、いまさら、なのだよな。こんな感想は何年も前から溢れていたころだろう。ラムやヴィル爺やオットーも現在進行的な盛り上がりの中で、ファンの中で人気が出て扱いが大きくなったとかどこかで読んだが(なにせネタバレを見ないように薄目で見ているので)、そこんところリアルタイムで見られなかったのは……まあいいか。一気見にも一気見のいいところはある。とはいえ、原作が先行しているものだから、下手に感想やレビューとかWikipedia的なサイトとか読めないんだよな。

というわけで、あれ、書いたっけ。OVA二篇見て、「続きの二期は……ないのか?」とか思って、アマプラで一話ごとに金出すかとか考えていたら、なんか見られるようになっていて(偶然のタイミングか、調べ方が悪かったのかわからない)、それはもうさすがに完徹とはいかないけれど、とっとと見終えてしまった。主人公、ナツキ・スバルはあれかね、大精霊と契約してようやく「一個だけ不完全な魔法を使えるただの人間」から、なにかしらの戦闘力のある騎士になれたのかね。ようわからん。わからんが、わからんことだらけで、原作はまだまだあるのだろうし、たぶんアニメの続編もあるのだろうし、楽しみに待つことにする。昨日ファンになったばかりの人間の言うことである。

以上。