信号に従うことによる自由について

寄稿いたしました。

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お読みくださった?

お読みくださいましたか?

つまりは、そういうことです。

 

さて、いきなりですが、いまこの瞬間、自分は「コロナウイルスに感染したのではないか?」という疑惑が生じていて、会社を休んでいます。嘔吐、熱発、喉の痛みです。調べてみたら、嘔吐というのも症状のひとつにあるらしい。ただ、熱発も最高で高熱(受診の目安の37.5℃)一歩手前、喉の痛みも今は「違和感」くらいです。

これは医療上の軽症にすら達していません。医療の分類の上での軽症は、一般人からすると「人生で一番苦しい」レベルだったりします。とはいえ、コロナウイルス感染症には「無症状」というものもあります。素人考えなのですが、無症状と軽症の間にもグラデーションがあるのではないでしょうか。

というわけで、オミクロン株BA.5大流行のこの時期に、嘔吐、熱発、喉の痛みが出てしまいました。さあ、どう行動しましょう。

これです、こういうことは「自動化」できません。行政の情報、現実の状況、自分の体調、取りうる手段をいろいろと考えなくてはいけません。ここで「熱下がってきたから会社に行く」という青信号は灯りません。小さな会社なので、全滅もあります。全滅したらおれの経済が回らなくなります。それは避けたい。

さて、今回、今のところ、発熱外来に行くほどの熱は出ていません。というか、行こうとしても、ニュースを見ていたら横浜市の人が200回予約電話をしてようやく、みたいな状況です。ならば、無料PCR・抗体検査、と、これは症状が出ている人は行っちゃいけないのですね。だったら、医療用キットを入手して、ということになりますが、市のサイトに取り扱い記載のある薬局で、行けるところにいくつか電話したところ、もちろんみんな在庫なし、入荷未定でした。さあ、どうしましょうか。自分を感染者とみなして、10日間休みますか? 遠くないうちに顛末を書きましょう。

いずれにせよ、おれが自動化せよというのは、とるにたらない事について自動化したい。そのようなAIの補助が必要だと言っているわけです。え、そんなAIない? ないかー。ないなら、自分で設置するしかないのでしょう。「交通信号には必ず従う」とか。

 

さて、従うことによる自由、というものがあるんじゃないかな、というのは、自分の中にある一つの考えです。たまに取り出しては眺めてみるたぐいの一つです。今回、そうしました。

さて、そのきっかけの一つになったのが、前期のアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』でした。

幼少期にバレエに憧れつつ、その夢を封印していた主人公が、中学生になって再び向き合うといった内容です。主人公は生まれ持った体躯、ジークンドーで培った身体能力を持っています。ただ、バレエの基礎をずっと叩き込まれてきたわけではありません。人を驚かせるような輝きを放ちますが、それは我流であると否定されます。否定されたうえで、主人公はクラシック・バレエの型を習い、受け入れることによって、我流の踊りよりもすごくキラキラしたものを感じます。自由です。

バレエの型、内なる信号機に従うことによって、逆に自由になる。そんな瞬間じゃなかったかと思います。自分はアニメで放送された部分しか見ていないので、なんとなくそう思っただけです。

ほか、短歌や俳句などの型、その他、日本の伝統芸能の型などにも、なにかありそうです。

 

また、もう一つ、昔から「これもそうでは?」と思っていたのが、曹洞宗の修行というか、出家した僧の生活です。

曹洞宗の修行 | 曹洞宗 曹洞禅ネット SOTOZEN-NET 公式ページ

曹洞宗では、日常の生活を、自分自身を活かす修行と捉え、感謝と喜びの心で、一日一日を丁寧に生きることを大切にしています。
そのため、挨拶、掃除、調理、食事、洗面、入浴からトイレの作法にいたるまで、日常生活のすべてを修行と捉え、坐禅の心をもととして行動することを教えの基軸としているのです。

曹洞宗では調理、あるいは食事の作法について細かく記しました。

 

それは日常のすべてが仏道であるという心得を記したものです。そのために、極めて具体的な作法を記しています。そして、そのような心得を持ちつつ、作法に従い、役務をこなすことにより、このような境地に達せられるのかもしれません。

仏道をならふといふは、自己をならふ也。自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「自己をわするる」。これは、自分の俗な言い方で言えば、自動化を究極に達したところではないかと思うのですが、さてどうでしょうか。あれやこれやの些事に自我がいちいち顔を出しては思い悩み、苦しむ。それらを捨て去ることができる境地。さらにそこから「十牛図」の入鄽垂手のように還ってくるのでしょうか。さあ、よくわかりません。

 

以上。