ようするにおれは金の使い方を知らないのだ

 

またまたまた寄稿いたしました。

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「しないように」、「そうしている」というのは少し違うかもしれない。「できない」というのが正直なところかもしれない。消費者金融に相手にされないレベルで「できない」ところから、そのまま「できない」まま時が過ぎてしまった、というのが正しい。

そして、借金するくらいの方が人生楽しいんじゃねえか、というのも本音の本音だ。おれはどうも貧乏のころの意識が強くて、金の使い方がわからない。今は「使える金がありあまってまっせ」なわけでもないけれど、どうもわからない。

だから、一年間に年収の半分くらい馬券に突っ込んでしまう。そういうところがある。無論、馬券はいくらか戻ってくるので、それだけまるまるなくしているわけではないが、まあそれでもおれの収入に見合った負け額でもない。

でも、じゃあ、競馬をさっぱりやめて、その金でなにを買う? といわれても、これがなんとも思い浮かばない。

たとえば、陽の光の射さない狭いボロアパートから、ちょっといいところに引っ越す? ちょっと広くなったところでおれは部屋をデザインして、きれいに保つ性能はない。なにより引っ越しが面倒くさすぎる。

自動二輪車や自動車を買う? 買えたとしても、維持ができない。バイク屋自動車屋とつきあわないといけないのも面倒だ。故障などしたら、その修理は自転車と同じようにはいかない。面倒くさい。

ほかに……なにがある? 旅行? うーん。そんなに旅に出ない理由はだいたい100個くらいあるというか、だいたい出不精だし。

高級な料理を食べる? 着ていく服がない。高級な服を買うのに着ていく服もない。というか、そういうところのマナーやなにかがわからない。そういう意味で、総合的に「服がない」。

あと、人と付き合わなきゃいけない系は極力避けたい。そういう人格障害っぽいので。

だいたい、おれはなにに金を使ってきたのか。高い買い物をしたことがあるのか。

……こんなところか。とはいえ、デジタルカメラソニーα65)はずいぶん古いAPS-Cのαマウントもので、レンズも古いミノルタのものばかり買って、今はもう購入欲もない。ロードバイク円高のときにイギリスから個人輸入した安いモデルで14万円くらい。こないだ引っ張り出してきてサドルバッグやサイクルウェアを新調したりしたが、まあ数千円。テレビもハイセンスの部屋のサイズには見合わない大きなのを買ったが10万円くらい。ノートパソコンも15万円くらい。iPhoneも15万円くらい。全部、一括だ。15万円くらいがおれの限界か。

しかもなんだろうね、全部いまだに現役バリバリというか、まあiPhone 14 Proは買ったばかりだけれど、パーッと使うという感じでもない。おれの収入からすれば大きな額とはいえ、人生のなかでの大きな買い物というわけでもない。

なんだろうね、人生のなかの大きな買い物。やはり、家か車か? 世界一周クルージングか? わからない。

というわけで、おれはやはり馬券に金を溶かしつつ、決まりきった安い自炊をしながら、安いアパートに住みつづける。抗精神病薬は今のところ先発薬しかないので高級品だが、自立支援医療で1割負担だ(他の二つの薬と合わせても月に1500円くらい)。

なんかこう、ドーンといきてえなあ。でも、根がケチだからな。そうだな、たとえば一口馬主にでも手を出してみるか。え、バヌーシーやってるだろって? いや、もっとなんか高いのとか。面倒くせえな。あ、寄付とかそういうのはちょっとさすがにそんな徳はない。おれのために、おれの楽しみのために。うーん、馬券を控えて投資信託の額を増やすか。金を貯めるのは嫌いではないのだ。ただ、現金が口座にあると競馬に流れるので、流しにくいというための投資。

とはいえ、もともとの金が少ねえんだ、そんなに夢もないしドーンでもない。ドーンなあ。そもそも種銭が少ないのにドーンもねえなあ。そうだ、なんかドーンと使える金があるようになっていたけど、ドーンというほどの金がまずねえんだ。そもそも「馬券を買わなければ」という話だ。それも同世代の勤労者に比べたらたいした額でもない。そして、これ以上稼げる気もしない。もう、黙って眠っていたい。マットレスでも買うか……。