WBC優勝記念提言 野球普及のためにキックベースを振興させろ!

WBCで日本代表が優勝した。めでたい話である。おれもたくさん見たし、すごく満足した。おもしろかった。わりと多くの人も見たし、わりと満足している。野球を見るものとしては悪くない。

悪くないが、野球ファンの高齢化は進んでいるという。ソースは調べてください。これでは、だんだんプロ野球の配信などもなくなり、WBCの扱いなどもゲートボール県大会決勝くらいの扱いになりかねない。それはあまりおもしろくない。

世界で野球というのがマイナースポーツであるというのは確実な話だが、マイナーなりに今回のアメリカ代表とかも年俸で一人三十億円とかもらっているし、ほそぼそとやっていける可能性はある。チェコみたいに、どこから普及したのかわからないが、現時点で七千人も野球をやっている国もある。野球にはいくらかポテンシャルがあるし、まだ伸びしろがあるようにも思う。

だが、立ちはだかるのが「野球に必要な道具」ということになる。よく、「ボール一つあればサッカーはできる」、とか言われるが、それに比べるとバットとボールとグローブと……いろいろだ。

だったら、NPBなり、なんとか野球協会なりは、子供たちに道具を贈ればいいのか? たぶん、否、だ。まず、ボールを投げても打てる場所に投げられないし、バットにボールが当たらない。

野球のルールがわからない問題

いや、それ以前の問題がある。「ルールがわからない」。

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なに、野球のルールなんてそこまで複雑なものではない。おれはだいたいすごろくみたいなものだと思っている。ただ、サイコロの目を自力でどうにかしようとするし、対戦相手はそれを全力で阻止してくる、基本的にそういうゲームだ。

が、そういわれたところでなんのこっちゃだろう。やはり、やってみなければならない。

あ、おれ? おれはひらがなが読めるようになったころから「野球のルール」の絵本を与えられ、カープの試合を見せられ、野球観戦者として父親に鍛えられた。やる方はというと、所詮はゴムボールとプラスチックのバットの草野球。でも、軟球くらいは使ったかな。日が暮れるまで壁に向かって投げる、捕るの練習していたこともあるし、バットにボールを当てることもできるタイプだった。あくまで中高の体育のソフトボールレベルだが。だが、球が捕れるという理由で身体も小さいのにソフトボール部相手にキャッチャーをやらされたこともある。そんなん。

で、普及の話だ。まず一つに、ビデオゲームなりスマホのアプリなどというのが考えられる。競馬を知らない人間が『ウマ娘』から競馬に入っていった話などある。あれはざっくりと施行されている競馬の流れを学ぶのにはうってつけかもしれない。レース体系とか、距離とか芝とかダートとか。現実の要素はもっと大きいが、だいたいわかる。「要諦をつかめる」となると、『ダビスタ』とか『ウイニングポスト』とかになるだろうが、まあいい。

そういう意味で、野球ゲームは大いに助けになるだろう。まずはともかく一人でできる。多くのサポートがあって、バットにボールがあたったら、とりあえず打者は正しい方向に走ってくれる。やってれば、だいたいのことはわかる。

まあ、だいたいでいいのだ。実際に野球を見ていて「第四のアウト」に遭遇する機会なんてほとんどない。無視しても構わない。まったく。

 

キックベース

が、野球なんとか協会が「ゲームをやりましょう」と言うわけにもいかないだろう。なんとなく。そこで、おれが提案したいのは、「キックベースを普及させろ」ということだ。できるだけ小さな子供に、サッカーボールくらいのボールを贈れ。あと、簡単なルールブック。

キックベース。

キックベースボール - Wikipedia

これは子供のころによくやった。ボールひとつあればいい。あとは地面にベースの位置を足で掘って印をつけるくらいだが、子供の草サッカーだってゴールくらい同じことをするだろう。用意は簡単だ。

そして、キックベースのいいところは、「ボールが打てる場所に投げられない」、「バットがボールに当たらない」という野球初心者の二大問題を解決しているところである。でかいボールを手でゴロゴロ転がす。足で蹴る。小さなボールと細いバットとは比べ物にならないくらい、試合は進行する。あとは、ベースに進み、ホームを目指す。野球の要諦をおさえているといっていい。キックベースで遊んだものならば、野球というものが、ボールとバットで同じことをやっているというおおよそのルールが把握できるはずだ。「スリーバント失敗」とか細かいことは後から知ればいい。

おれも子供のころはよくキックベースでも遊んだものである。道具がいらないのは大きいし、それなりに楽しい。夢がMORI MORIである。とはいえ、この遊び、ちょっと本格的にサッカーをやり始めた子が混じると、ゲームバランスがおかしなことになる。だから、できるだけ小さな子に普及させるのだ。たまたまなにか野球を見たとき、なんとなくわかる、そのくらいになってもらう。まあべつに、蹴ることに夢中になってサッカーへ進んでもいい。

……え、今、そんなキックベースもやる場所がないって? 子供は外で遊べないって? そうなると野球もサッカーもなにもない。お手上げだ。

 

……などと、ひょっとしたら何周目になるかもわからんことを、ふと書いてみた。WBCの熱病だと思ってくれればいい。しかし、サッカーが盛んな地域でも、蹴る行為からキックベース流行ったりしないかな、などと思うのである。というか、サッカーのプロ選手が本気でキックベースやったらどんな施設が必要で、どんな試合になるのだろうか。守備の人数とかおおいに変えなきゃだめだろうか。現在の「全国ルール」でも十一人制だというが。百年後には「ワールド・キックベース・クラシック」。さすがにないか。

 

以上。