うちの会社に出入りしているヤマトだか佐川だかの集荷のお兄ちゃんと社長がちょっとだけ雑談していた。ここ最近でこのエリア(どのくらいの範囲かはわからない)のドライバーが10人以上辞めたのだという。ほとんどストライキみたいな感じだったという。残された人間の労働量がえらいことになっているという。
で、辞めた人たちがどこに転職したかというと、アマゾンの配達やネットスーパーの配達、さらにはウーバーイーツなどだという。辞めた人に話を聞いたら、稼ぎも悪くないし、自分で休むタイミングもあって自由があるとかいうらしい。
意外な話だと思った。アマゾンの配達は相当に過酷だというし、ウーバーイーツだって一時期に比べたら稼ぎも減っているのかと思っていた。これが物流の2024年問題だというのか。ヤマトか佐川かの集荷のお兄さんは「うちも給料は上がっているんだけど、それじゃ足りないんですよ。新しい人も入ってこないんですよ」みたいなこと言ってて、収入のうち残業代が占めていた割合がかなり大きかったのかな、と思う。
しかしなんだろうね、うーん、まあ、ただ、そのお兄さんが言ってた話だけがソースなんでなんとも言えんが、そうなんか。なんか最近では正社員にこだわるわけでもないみたいなこと言ってたし。
20年以上前には、元やんちゃしてましたみたいな佐川のお兄さんがうちの会社の担当で、「ここで何年かガッツリ稼いでラーメン屋やるっす!」みたいなノリだったが、もうそういう時代でもないのだろう。
まあしかし、たとえばヤマトや佐川などで配達スキルが高まっている人にとって、ウーバーイーツなんかに臆することなんかないだろう。おれなどの土地鑑のない場所ではうろたえるばかりの人間とは違う。となると、そのスキルとUber Eatsならではテクニックを駆使したら、自由な時間に働けて、稼ぎも悪くないのかもしれない。空いた時間には営業活動などしなきゃいけないのに比べたら、スーパーの配達や配送のほうが楽なのかもしれない。収入の額面だけの話ではないのかもしれない。
というわけで、これから「集荷の時間が早まるかもしれません」とのこと。集荷の時間は前から早まってきているが、こちらもいろいろ対策しなくてはいけないかもしれない。
ところで、うちの零細会社から出る荷物など大したことはないが、それでもヤマトか佐川が同じエリアのヤマトか佐川に仁義を切って「(うちの会社)に営業をかけるけど、いいか」と聞いてきたらしい。うちの会社は基本的にヤマトか佐川の圧倒的に安い方を多く使っているが、かつては価格差が逆だったので、使用頻度も逆だった。ある日、「最近少ないですね」ってなって、「あっちが安くなったから」ってなったら、「じゃあこっちはもっと下げます」ってなった経緯があった。再逆転はあるのだろうか。
しかし、なんでそんなに営業熱心かというと、このエリアの某大施設の駐車場でドライバーが高さ制限を誤って設備を破壊して1500万円くらいの損害を出したかららしい。これもライバル企業の集荷のお兄さんが言ってたこと。保険とかもあるんだろうが、まあ一つ1000円もしない荷物を何個運んで1500万円かという話だ。
日本の物流は優秀すぎたのだけれど、それでもそれは末端労働者の過酷な労働に支えられていたとなると、今後は人手不足もなにもあって、成り立たなくいくのだろうなとは思う。ドローンだの自動運転だのでは実用化と普及が追いつかないだろう。どんどん便利に、すごくなっていくのがこの戦後日本だったのだろうが、伸びの鈍化ではなく、低下していく時代になっているのだなと、あらためて思った。
しかしなんだな、いきなり違う話になるけど、おれはやっぱり知らない場所にちゃんとものを届けられるかというプレッシャーが強くてウーバーイーツみたいなのは絶対にできねえな。配送業もだめだろう。ちょうどいいところで人手不足になっていてくれればいいのだけれど。