
株式会社はてなが11億円だまされて取られたというニュースがあった。11億円。想像がつかない。零細企業のおれには11万円でも大金だし、110万円で会社は潰れる。1100万円でなんか想像がつかなくなるし(とはいえ、前の親会社に負わせた負債は1500万円だが)、1億を超えるとまったくわけがわからない。それが11億円。超大企業でも11億円となればそれなりの金額だろうし、はてなくらいの企業だとたいへんに大きいのではないかと想像する。そんな金額を一従業員が動かせるのはよくわからない。役員会議が必要な額ではないのか。だれかに相談、確認する金額ではないのか。「ああ、今すぐ11億円振り込まないと会社が潰れる!」という状況だったのだろうか。日々の出来事のプラットフォームを運用する企業としては、なにがあったのか詳細に報告するべきだ。おれは微々たるものながら株主なので、報告してほしい。なんなら、有料記事にしてもいい。
そうだ、はてなは日々の出来事を記録するプラットフォームだ。ブログサービスとしても老舗だろう。おれも2004年から書いている。20年以上だ。20年以上の記憶を外部装置としてはてなに託している。はてなブックマークも長く利用している。リンク先がもはや存在していないとしても、タイトルとコメントが残っているだけでなんらかの価値がある。おれ一人の記録ではない、たくさんの人間があるニュースに対してどんなコメントを残したのかという記録は大切だ。
おれはインターネット老人だ。親のNiftyを使わせてもらったところから始めたので、化石といってもいい。そんな老人は、若き日に、「インターネットに公開された情報は、半永久的に残る」ということを夢見た。紙は失われてしまうかもしれないが、電子情報は失われない。人々の日々の記録、どうでもいいような話も、欠落することなく後世に残る。たまたま武士の家計簿が残っていたとかいう話ではない。ある人間が、ある時間、スタバで、なにかを飲んでいた、そんな話が、正確なタイムスタンプとともに残る。そういうものだと思っていた。あ、それはTwitterですか? でも、そういうものだ。
それがどうだろう、そんなものは夢に過ぎなかった。ネットに公開された電子情報は、サービスの終了とともに消え去る。ほぼ完全に消え去る。ホームページのサービス、ブログのサービス、大量の情報が消えてきた。それでもネットの情報量は増え続けているかもしれないが、過去が消え去ってしまっては意味がないんだ。
だから、はてなは生き残れ。100年企業とかケチくさいことは言うな、11億年と言え。そのくらいは宣言しろ。今こそ宣言しろ。11億年企業だと言え。
11億年後の地球は平均気温が50~70度で、極限環境微生物しか生き残っていないかもしれない。それでも11億年前の記録がサーバーに残っていて、地球外知的生命体が見つけるかもしれない。それは価値のある仕事だ。はてなは価値のある仕事をしている。もちろん、まんがビューワーで儲けてくれて構わないが、はてなブログもはてなブックマークも増田も残してくれ。それは人間の知的活動の価値そのものだ。われわれの生きた価値そのものだ。
わかったか? わかったらすぐに宣言しろ。11億年存続させると言え。言ってくれ。