はじめてネットカフェ(?)漫画喫茶(?)へ行った

goldhead2007-08-05

http://www.diskcity.co.jp/tenpo/isezaki/index.htm
 目的地はDiCEという店。伊勢佐木町の大通りをずんずん進んでいって、ユニーの手前、ビルの六階。六階に着くと五、六人の行列。おかげで様子見ができる。どうも、席がかなり混雑しているよう。俺の番。「ただいま禁煙席しかご用意できません」というが、まったく問題なし。ただ、「席がこちらの●●(忘れた)シートになります」と見せられた。デラックスなんとかだったか。「値段は一緒ですか?」と聞くと、「いえ、こちらはパソコンのみの席となります」という。写真を見れば、なるほどパソコンのモニタはデラックスにでかい。
 が、俺はテレビが無いとだめだ。暑い暑い自分の部屋から逃げて、競馬をするのが目的だからだ。「グリーンチャンネル対応で、パソコンあれば、気分はリトルエクセル伊勢佐木町じゃね?」という算段。でかいパソコンをあてがわれても困る。「じゃあ、テレビのある部屋は今無理ということですね?」と俺。すると、「喫煙席になりますが」の前置きつきで、「今清掃中のところがあります」という。うーん、俺も心は喫煙者、ここまできて暑い道に出るのも嫌なので、ちょっと待つことに。
 程なくして清掃終了、「3時間パックで」と申込み、席番号と入室時間などがプリンタウトされた伝票を渡されていざ入室。そこに広がっている光景、なにか他に例えようがない。薄暗い中、細かく仕切られたパーテーション、隙間から人の姿もちらほら。シーンとしている。歩くと床がきしむ。
 俺の席を見つけた。このブロックは密室性が高いようだ。横開きの扉。からから開いて、目の前に出てきたのは、ビニール張りの座敷。そういえば、フラットなんとかと言っていたが、こういうことか。室内……そう、ここは部屋の感じ……同じく黒ビニール張りのクッション、aiwaの14型テレビ、パソコンとモニタ。上に照明。ハンガー、段の下にゴミ箱。テレビとパソコンの台の下にスペースがあり、足が伸ばせるようになっている。上は開けっぴろげで、ジャンプすれば隣がのぞけるかもしれない。のぞく気はないが。
 ……思わずどうしようかととまどう。カバン置く、中から東スポと赤ペン取り出す。服一枚脱いでハンガーにかける。テレビつけてみて、映りが悪いがグリーンチャンネル確認。うーん、ポジションが定まらない。なんなんだろう、これは。ここは。すごく妙だ。すぐ隣、というか、そこらから人の気配はする。でも静か。なんだか他に例えようのない空間。独居房みたいだな、とも思う。あるいは、仕事場かなにかのようにも思える。
 ううむ、特にこの部屋などは、横になれるから、ネットカフェ難民のような人にとってはありがたいところだろうか。なんとなく、そう、生活のあとというか、そういった類の空気がある、このパーテーション、このネカフェ全体。年季というか、積み重ねの汚れというか。古いラブホなどよりも、ずっと色濃く。
 とはいえ、ここは落ち着けない。時折聞こえる他人の咳払い、いびき、戸の開け閉めの音、店員さんの「○○号室清掃終了しました」の声……。ネットカフェ暮らしというのは、相当に厳しいものだろう、と想像する。この空間を体感する前に想像していたよりも、ずっと。
 って、そんな「国会議員がネットカフェの現状視察」みたいなことを考えてる場合ではない。競馬、そしてもう一つの目的。漫画。俺は、今さらながら、『デスノート』を読んでおきたかったのだ。というわけで、扉を開いて、本棚の方へトコトコ。ジャンプの単行本コーナーはすぐに見つかる。デスノデスノ……と、なんか途中からごっそり無い。これはしょうがない。が、第二候補、第三候補はあるのだ。と、検索用パソコンが目に入る。これで在処はまるわかりということか。前の人の検索結果が残っている。『宮本から君へ』。俺はそれをこう書き換えた『地球へ…』と。宮本から君、そして地球へ。俺は55番の本棚へ。全五巻あった。
 むろん、アニメをやっているのを知って気になった。それに、SF少女漫画は好きだ。とはいっても、『スター・レッド』、『11人いる!』、『百億の昼と千億の夜』(全部萩尾望都か)くらいか。竹宮恵子も好きですよ、『風と樹の詩』はマイベスト10に入ってもいい。
 俺はすっかりテラ気分になって、我が借宿に帰宅。すると、新潟の10レースが近い。あわてて、ネットでオッズや馬体重をチェックして、競馬新聞見て、携帯で購入。いや、このPCからIPATに接続した方が早いかもしれないが、やっぱり怖いじゃないですか。ハカーがキーロガーとか仕込んでたらどうしよう、と。なんか再起動すると全部クリアされるとか書いてあるけどさ。
 となると、三場開催のこの季節、競馬が忙しい。全部買わないにしても、買う、買わないの判断がまずくる。なかなか地球へ行けない。しかし、自分の部屋でならもうちょっと落ち着いて漫画と競馬の両立くらいできてるはずなのだが。パソコンが加わった分だろうか。慣れない場所のせいだろうか。
 というわけで、競馬は函館2歳ステークスハートオブクィーン単勝のみ。例の亀谷さんのコラムによれば、函館後半戦は前半戦でスピードを活かした快足馬に向かず、中盤以降の遅い時計で勝った馬の方が向く、みたいなのがあって、それにならった。ハートのラベンダー賞は近年でも遅い方というので、だったらこの馬場でなおさらじゃないか、という発想。ただ、相手が抜けた。マヤノトップガンの子。くそ、なんなら総流しもあったか。
 競馬はメーンで打ち切って、後は『地球へ…』に打ち込む。むう、せかされて読むとは。しかし、なかなかペースが上がらない。時折、トイレ、無料飲料。なんとか読み終える。はっきりいって、環境と時間のせいでよく味わえたとはいえない。でも、まあ、SFとしてもう一ひねり、みたいなところはあったかな。でも、こないだ読んだディックの『フロリクス8』(http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20070718#p2)に見られるような、そういう設定とか好きで、そりゃ面白いわな。あと、トォニィのラスト、すごくどっかで見たような気がするのだけれど、最近のアニメのやつをちらっと見たのは初めの方だし、なんだろうと思ったら、かつて映画化されていたようだ。それをテレビで見たのかな?
 で、無事、時間内に退室、精算。外に出て、また何か違和感。読んでた漫画より、あの環境の方がよほどSFっぽいなとか思ったり。で、道すがら注意深く見れば、何軒もあるじゃないか。今度はどこへ行ってみよう?