アラファトわたしはゆめのなか

http://www.asahi.com/special/MiddleEast/TKY200411050171.html

「病状は複雑になったが、死んでいない」

 僕の脳みその中の「アラファト」の箱を開けると、三つの知識しか入っていなかった。一つは「小宮悦子にテロリスト呼ばわりされ激怒」の件。そして「来日した際、護身用の拳銃を手放すのを渋ったが、結局日本政府関係者に預けることに。帰国の際、空港で飛行機に搭乗する寸前に拳銃を返されると、その場ですぐに試射した」という件。最後はもちろん、「進め!電波少年」で松本明子と「てんとう虫のサンバ」を歌った件だ。
 最近、突撃取材と言えばアメリカのマイケル・ムーアの名がまず挙げられる。そして、日本にムーアみたいなのは居ないのか?ということになる。そして多分、一瞬「電波少年」を思い浮かべて、すぐさま消してしまうのだ。
 たしかに「電波少年」はろくでもない番組だった。まともなテーマもなかったし、物事の真相に迫るわけでもなかった。しかし、アラファトという世界の歴史に名を残す男に「てんとう虫のサンバ」を歌わせた。それもまた歴史の中の妙味ではないのか、とも思うのだ。