さてさて冒頭の白馬が叩き三走にして一向に絞れず、そろそろパドック解説者に「ひ腹がボテッとしてるように見えますが、この馬はこういう体型なんですよ」と言われそうな大河ドラマ『義経』の始まりであります。今回はもうのっけからタッキーの登場でございますが、いったいこの衣装、いやコスチュームと言わせていただきましょうか、なんとビビッド&ビューティフル。まるで何か戦隊物の変身後のごとしと言ってしまいましょうか。その一方で、おお、六波羅様がつるつるになっておいででございます。平幹二郎様も心配のご樣子で、枕元でサンショウ、カラタチバナと和風ハーブの説明をしております。サンショウ(Zanthoxylum piperitum)は香辛料として知られておりますが、実も楽しめるので観賞用、料理用に育てるのもおすすめでございますが、本題とは関係ございませぬ。
そうこうしている間に源氏戦隊シャナオーは都を一人歩いておりますが、やはり目立つのは仕方がない。このオーラこそヒーローの条件なのでございましょうか。おお、うつぼ嬢がずっぽし登場と思いきや、すぐにフェードアウト。続いてフェイドインしたるは‘もののけ姫’美輪明宏御大でございませぬか。もしやこれがデカマスター?おお、マスターに修行を申し込むシャナオー。深夜の森で何やら経を唱える美輪御大、怖すぎでございます。「走れ、走るのじゃ!」。今日日特訓といえば手をドリルで削って魔球を投げるとかいう類のものでございますが、走ることこそ基本中の基本なのでありましょうや。そしてシャナオーに襲いかかるはムササビ怪人、ナレーションの方曰く「武術に励んで」と仰られますが、どこら辺が武術なのでありましょう。幻術、忍術としか思えませぬ。
おお、出た出た出ました武蔵坊。あっと言う間の登場でしたが、良い形の頭でございます。しかるに弁慶、早くも弓兵に囲まれておりますぞ。いきなりの大往生かと思いきや、それはさすがに「理不尽なり」。いやはや貫禄でございます。片やフィトンチッドかマイナスイオンか、森の中でやすらぎひととき滝沢秀明、飛ぶ蝶などを眺めて優雅なご樣子。と、モビルスーツと見まごうばかりの武蔵坊、僧兵スタイルで刀狩りに励んでおります、ガハハハハ。白昼堂々、町中でも平気で刀狩り族。なぜか笑えてしまいます。
こちらも負けてはおられぬと、ヒーローの腕を上げたシャナオーの前に、悪のテング怪人が襲いかかります。が、これを退けるシャナオー、ついにマスターを撃破で免許皆伝と相成りました。そんなシャナオー、母に会おうと屋敷を訪れ、門をどんどん叩いてその名を呼びます。しかしながらシャナオー様、私には当時の屋敷の造りなどわかりませぬが、その距離で果たして声は届きましょうか。果たして会うこと相成らず、ナレーターに会いに来ましたシャナオー様。母の寝取られ話を腹におさめるその覚悟。いやはや過酷な運命でございます。都の夜に吹き渡りますは哀しき横笛の音色。散る桜花の下に相まみえまするは敵の大型モビルスーツ。やらせはせん、やらせはせんぞと、ここまで引っ張って次回につなぐは定跡中の定跡でございましょう。いやはや、感想どころか実況と相成ってしまった次第でございます。