義経の感想

 今年の大河ドラマを見終えて思ったことは、定番路線の大河はやはり退屈なものだということだった。五条大橋の決闘や一谷、壇ノ浦合戦なんかの見せ場はあったけれど、全体的には落ち着いていて、どうにも飽きてしまう。キャラ的にも主役はあくまで典型的なヒーロー像だし、脇を固める役柄もきちんとはしていたけどキック力に欠けた。唯一、マツケンの弁慶だけが健闘していたかな。他に問題としては台詞回し。たとえば、最初の方の義経石原さとみの出会いのシーンなんかもそうだけど、急に文語からの翻訳くささを残す説明的な台詞になって、どうにもこちらを乗せてくれない。重要なシーンでそれはどうかと思うのだ。あと、特殊効果。言うまでもなくチャチなのだ。だったら、普通の殺陣で見せてくれ、と。どっちつかずのことはやらない方がいい。こうしてみると、問題点も多かったけれど、去年の『新選組!』がいかに魅力あるものかと思えてくる。それは俺が幕末好きだから、というだけではないと思うのだ。