http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/f-et-tp0-050422-0010.html
ポール牧さんは全身を強く打っており、病院に運ばれたが間もなく死亡した。
「ポール牧が飛び降り自殺」。昨日までならどこか滑稽でナンセンスな一文だ。それが、一日経てば「ポール牧」が「ポール牧さん」になって悲愴なニュアンスとともに報じられる。職場のラジオでも「ポール牧さんが自殺」の一報が聞こえたときは、一瞬みな聞き入った。そして、「病気をして指パッチンができなくなっていた」とか、そんな話をした（病気の話の真偽はしらない）。そしてまた、仕事に戻る。ラジオも普通の放送に戻る。何だろう、この違和感。ポール牧の自殺は何かとても大きなニュースに思えるけれど、実際のところそんな大きなニュースではない（J-WAVEが番組を潰してポール牧追悼特集をはじめたら、腰を抜かすほど驚くであろう）。ポール牧が死んでも、社会はつつがなく進行する。当たり前のことだ。だけど、ポール牧はマンションから飛び降りて死んだのだ。ポール牧は死んだ。指パッチンのポール牧が死んだ。お笑いウルトラクイズの歴史に長く語り継がれるであろう人間性クイズのポール牧が死んだ。せめてそれらの記憶を留めよう。もって瞑すべし、ポール牧。
