報道ステーションを見て思ったこと

 昨夜は帰宅も早かったので、ちょうど十時からニュースを見た。NHKテレビ朝日を行ったり来たりしながら。もちろん大半はJR福知山線脱線事故の件で、どちらもそれほど変わらないという印象であった。
 報道ステーションが一歩踏み込んでいたのは、運転手の日勤教育なるもの。労組が出てきて言うことなので多少一方的な面はあるかもしれないけれど、そういった教育があることについてはありそうな話だ。NHKでも対私鉄の競争で定時運行が重要課題になっていたとやっていたし。そういえば以前、定時運行について日記に書いたことがあった。
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俺は規則正しく運行される電車は好きだ。だが、三分の遅れを詫びねばならぬ社会が、果たしていい社会なのかどうか判断つきかねた。

 今ならば「あまり良くない社会なのかもしれない」に下方修正してもいいかもしれない。もっとも、日勤教育なるものが果たして糾弾されるべきものかは判断つきかねる。運転操作の技術について、知りすぎているから起きるようなミス、すなわち気のゆるみによるミスならば、気を修練するより他にないと思うからだ。
 ただ、そのやり方が人格形成セミナーみたいに自己否定で追いつめるようなもの(その後の回復があればいいけれど)や、「三八式歩兵銃様申し訳ございませんでした」の時間連呼みたいなものでは、ちょっと効果には疑問だ。いや、脅しが効果になる場合もあるだろうけど、自殺した人や、ひょっとしたら今回の事故の運転手のようなことになるかもしれない。何かこう、カウンセリング的な、あるいはシステマチックな方策はないのだろうか。ここら辺、何か諸外国からヒントを得られないのだろうか。いや、これだけの定時運行は日本くらいか。いやはや。
 ところで、気になったことが一つ。多分JRの労組側の弁護士の人のコメント。話した内容は「こういった面が改善されていれば、今回のような事故の予防に繋がったかも知れない」といった遠回しもの。ところが、字幕は「予防できた」と言い切りの形になっているのだ。これでは婉曲的な推論として、充分な予防線を張ったであろう弁護士の気遣いも台無しだ。文字スペースの関係と言うかもしれないけれど、長体掛ければ入るだろうし、とにかく内容を変えちゃいかんと思うのだ。
 ああ、文句の多い番組だとわかっていながらついでにもう一つ。中韓世論調査をして日本嫌いが多い、日本が孤立しているという話題。「靖国神社はどんな施設か?」や、「今後経済面で重要な国は?」という設問には日本人の回答が出てきたのに、肝心の日本人は「韓国は好きか?」「中国は好きか?」という設問は紹介されないのだ。西村眞悟の言った通りの結果だったのか? とか思ってしまう。また、「孤立」というのならば、中国の対韓好感度と韓国の対中好感度も紹介しなさいよ、と。
 うーん、この番組、見ている者に余計な感情を沸き上がらせるように思える。それも、番組が誘導しようとしているであろう方向とは、逆の方向へ。考えの方向性についてはそれぞれあっていいと思うけれど、もうちょっと品質を上げてくれと思う。