サイレントKは二度現れる

 先週末のサタデースポーツだったか、サンデースポーツだったかで、中日の石井裕也が取り上げられていた。そして、昨夜の報道ステーションでも特集されていた。二軍に落ちたため、インタビューの時間が取りやすくなったためだろうか。放送の内容も、両者とも生い立ちやプロデビュー後の活躍、インタビューと、そこら辺は一緒。しかし、初球被弾シーンの前田智徳はともかくとして、ズバッと三振を奪うシーンで、両番組とも新井貴浩を使っていたのには笑った。今の日本プロ野球で、新井ほど三振シーンが様になる男はいないのではないか。
 話ついでにカープの事を書けば、石井を二軍に落とす余裕のある中日が羨ましい。中日のチーム状態は決してよくないが、リリーフでは抑えの岩瀬に継ぐ登板回数で、防御率も四点台で負けも付いていない石井だ。これがカープだったら、広池や佐竹のように使われ続けたことだろう。
 話は石井に戻そう。二つの番組でどちらがよかったかと言えば、報道ステーションを取りたい。なぜなら、谷繁のサインに首を振るエピソードが取り上げられていたからだ。あなた、ルーキーの投手が大事な場面で、谷繁のサインに首を振れますか。これを見て完全にしびれてしまった。こういう姿勢はカープの投手陣にも見習ってもらいたい。自信を持って倉や石原(祝一軍復帰)や木村一のサインに首を振ってもらいたい。いや、振っているような気もするが。
 それはそうと、この話を難聴の子の親の人に話すと、両方とも見たという。しかし、難聴の子は二度目ともなると途中で席を外したという。「石井さんは立派すぎるのかも」とのことだが、なるほどそういうこともあるかもしれない。ハンデのあるなしに関わらず、俺だって谷繁のサインに首を振るルーキーと比べられたらたまらないからな。しかし、多くの人に勇気を与えているのも確かだろう。終身雇用を蹴ってまで入ったプロで、長いことその雄姿を見せてくれることに期待したい。広島相手にはちょっと手加減してくれると、なお嬉しい。

……などと書いていたら、いきなり一軍昇格で、いきなり楽天相手に初黒星が付いていた。何かと派手な男で、ますます見逃せない。