ここらあたりの混沌


 最近ウィリアム・ギブスンの描く近未来の東京などを読んだ。そして、現実の東京もまったくひけを取らないような気がしたものである。しかして、俺の行動範囲であるここらあたりも大したものじゃないかと思い当たった。
 上の写真は元町バス停にあった落書きだ。元町といえば元町ですよ。しかし、みなとみらい線元町・中華街駅なんてひどい駅名ができたように、川一本向こうはチャイナタウン、そして山下公園、大桟橋へ。これだけだと観光名所万歳という感じだが、海から離れる方へ線路を越えて少し行けば、日本三大ドヤ街の一つ寿町。ここにうっかり迷いこんだ時は、空気で死にそうになった。ところが、最近じゃ寿町を囲むように高級新築マンションなどが建てられているのだからおかしい。セレブっぽさげな若奥さんが、ドヤ人や俺より高そうな犬を連れて歩いているのだよ、境界線を。
 そうだ、俺は山手の低所得的山中斜面から、それぞれの境界線をサーフして関内に至る。いろいろな人がいて、いろいろな犬もいる。夏休みに入ってからは、石川町駅あたりでは真面目そうな女学生がたくさんいる。これはまあ、なかなか飽きない道中というわけだな。悪くない、悪くない。