エドモンダンテス

 エドモンダンテスの名は厳窟王から取られたというが、俺は厳窟王を知らない。しかし、俺はこの馬が小倉四戦四勝であり、重馬場を苦にしないことを知っていた。前走福島で惨敗したが、今度は鞍上が池添謙一に戻ることも知っていた。俺は小倉のメーンKBC杯はエドモンダンテスに賭けた。レースも思惑通り、中団から進出して先団、先団から抜け出して快勝。直線小声で「池添っ」とつぶやいた俺だったが、池添が落馬負傷で川島信二乗り代わっていたことに気づいたのは、レース後のことであった。そして、枠連の配当が馬連を大きく上回っていたことに気づいたのも。人気サイドではちゃんと枠連馬連であったのは確認していたのだが、これは誤算だった。また、エドモンダンテスが条件馬であり、ここが格上挑戦になると気づいたのは翌日のスポーツ紙であった。
 同じくらい自信で買った関屋記念マイネサマンサは先行して良いところが無かった。直線抜け出したクラシックホース・ダイワメジャーを、誘導ミサイルもかくやという勢いで抜き去ったサイドワインダーと福永祐一は見事であった。そして、コスモサンビームもどこまで戻ってくるのか、これも楽しみだ。