カナヘビ階段

goldhead2005-09-14

 通勤途中に人二人ほど通れるちょっと長い階段を登る。左右には民家が建ち並んび、家を囲む木の枝が路地に伸びてきている。そこで毎朝のようにお目に掛かるのが、カナヘビ諸君だ。彼ら、人の通る気配を感じると、かさこそ音を立てて、道の脇に消えていく。しかし、こちらが見ているのも気にせず、鮮やかな三本線の入った胴体と、金属的な青色のしっぽを陽の光に輝かせて、ぷくぷく呼吸などしている大胆なやつもいて、なかなかに愛らしい。
 書くまでもないことと思うが、私が見ているのはカナヘビでなくニホントカゲの幼体だ。しかし、私は勝手に思いついたカナヘビ階段という名称が気に入り、また、これだけカナモノっぽいやつがカナヘビじゃないというのにも納得がいかず、私は私が見たものをカナヘビだと思わせることにしたのである。