K-1 World GP 2005―開幕戦

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/k1/live/200509/23/index.html
 これを見るために仕事切り上げようかどうか迷ったが、結果的に帰ってよかったと思われる。所詮は地上波レベルでの話だが、やや総合格闘技の方に興味の重心が置かれつつあったが、なんだやっぱりヘビー級のKもそれなりに面白いじゃない、と。もうビデオに録るのもやめたので、印象をメモしておく。

レミー・ボンヤスキーvsアレクセイ・イグナショフ
放送のトップバッターはこの試合。ボンヤは気がつけば三連霸が掛かっていたのか。小ホースト化するのは構わないが、病み上がりのイグナショフくらいはKOしてほしかった。いや、決してイグナショフが弱いというわけではないけれど、三連霸狙うならな、と。けど、終わってみればかっさらってたってタイプなんだろうな。
◆ジュロム・レ・バンナvsゲーリー・グッドリッジ
ん?ジュロム?読み方変わったのか?けど、オフィシャルでもジェロム・レ・バンナだな。俺はジェロムレと呼んでるからそれ以前の問題だけど。で、ジェロムレが完全に試合を支配して圧勝。なんか、無駄な筋肉を落としてスピードアップした印象。今年チャンピオン童貞を捨てられる可能性も充分だろうか。
ピーター・アーツvsマイティ・モー
アーツの勝利は正直ちょっと嬉しかった。スネ割れTKOの危機もあったし。マイティ・モーはやはりマーク・ハント代わりとはいかないのか、なんとなくふてぶてしさというか、そういうものが足りないように思う。あと、デタラメな打たれ強さとか。けど、パンチで魅せるところはあるので、今後に期待。アーツは決勝でどこまでやれるのか、限界に挑戦して欲しい。チャンピオンの資格は言うまでもなく満たしている。
◆武蔵vsフランソワ“ザ・ホワイトバッファロー”ボタ◆
いまだにボクシング世界王者文脈でしかボタを語らない実況はどうかと思った。この歳で他分野に引っ張り出されて、色物で終わりかと思いきやコツコツと真面目にキックに対応してきたボタさんだ。試合前後のコメントなどの、そのファイターとしての姿勢や、いい人っぽさやをちょっとは出したらどうなのか、と。で、試合の方も「ハッ、フン」言いながら、やはり人柄のせいか武蔵に判定負けしてしまった。ボタよりの俺が見たら、ボタ勝ちでもよかったのに。武蔵……は、何度も書いているとおり、そのスタイルを確立させたのは尊敬するが、その試合が面白いかと言えば、それはまた別と言わざるをえない。ただ、それが開始当初とは技術レベルが上がったK-1のチャンプに相応しいのかもしれないが。
グラウベ・フェイトーザvsセーム・シュルト
極真代表のフェイトーザと、一部で最強説も根強い巨神兵シュルト。思えば、フィリォによる極真上陸!みたいなころが、K-1の一つのピークだったろうか。で、この試合はシュルトさんが完全にコントロールして勝利。あまり目立たないが、K-1にとって厄介な存在を再上陸させたんじゃないのか、これは。
リカルド・ノードストランドvsルスラン・カラエフ
カラエフには期待していたが、試合がダイジェストで残念。しかし、腕が太くて長いなぁ、カラエフ。脚が細く見えるくらい。バックハンドブローから続けざまのヒザなど、スピード感も十分。今後がとても楽しみな選手だと思う。
レイ・セフォーvsガオグライ・ゲーンノラシン
さて、この試合はどうしたものか。ヘビーだから打ち合え、というのもわかるが、ガオグライの戦い方を否定するのもファイトのバリエーションが減る。前田日明須藤元気批判ではないが、こういうケースのガオグライみたいなファイトは、噛み合わなかったときにえらく評価が下がる。逃げてるだけじゃないか、となる。いや、逃げる技術も凄いんだけど。しかしやはり、あの、マイティ・モーに喰らわせたジャンピング右ハイキックの魅力は忘れがたいな。
ボブ・サップvsチェ・ホンマン
このマッチメイク、正直あまり期待していなかった。色物同士でどうするの、と。しかし、見てみると予想に反して実に大晦日テイストで、それなりの面白さがあったのだなぁ。しかしまあ、チェ・ホンマン。なんだろう、これは。何度も書くが、このナチュラル・ボーン・ヒールの印象は強烈だ。気は優しくて力持ち、とかいうのとは異質で、あのヒザ蹴りカツーンだもの。まあ、なんというか、人類が抱く巨大なものへの恐れなのかなんなのか。サップが小さく見えて、2Rからは負け顔になっていたな。よく、一般選手と2m級選手のファイトの際に、大きな選手は殴る方にダメージがあるなんて言うけれど、それが本当ならば、あの駄々っ子のようなパンチも強力なんだろか。しかも、それなりに回転するものな。うーん、でも、本当の実力かどうかというと、まだまだ未知数だ。そういう未知を抱える部分では、ホンマンが先に進んだ方が面白い結果だったと言えるかもしれない。あっさりローを攻められて陥落することもあるだろうし、案外デタラメに勝ち進むかもしれない。しかし、それで優勝でもされたら、今までのK-1の、いや、キックボクシングの歴史は何だったということになるかもしれない。それはそれで面白い事態なのかもしれんが。

 やれやれ、長くなった。誰が優勝するんだろうね。トーナメント表も大きく影響しそうだし、これはまあ、楽しみだ、次が、うん。