六冠王者

http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200511/bt2005111401.html

 3万7078観衆がいっせいに立ち上がり、紙テープが舞う。真っ白に染まった東京ドームの中心で、バレンタイン監督が3度、宙に舞った。

 今年から始まったアジアシリーズ、番狂わせもなく日本代表の千葉ロッテマリーンズが優勝。交流戦プレーオフ日本シリーズに二軍の二冠も合わせて六冠王者になったということである。二軍はともかく、「シーズン一位」の一冠が無いという負い目は、充分すぎるほど晴らしたと言っていいだろう。ついでに言えば、あのスタンドの熱気を見るに、日本代表がロッテでよかったんじゃないかとすら思う。ソフトバンク阪神には悪いけれど。
 で、その立て役者として、また、アジアシリーズ勝戦の先発にも立ったのが渡辺俊介。日刊スポーツはアジアの宝(http://www.nikkansports.com/ns/baseball/p-bb-tp0-051114-0012.html)というが、これはもう世界の宝である。個人的には、今、日本球界を飛び出してメジャーに挑戦してほしい一番の選手であり、一番日本から出ていってほしくない選手でもある。
 が、しかし振り返ってみれば昨日の試合、八安打もされてもいた。見ていて思ったのは、サムスンの選手が思いっきり振り回してくること。当たれば飛ぶし、フルスイング→ぼてぼて内野ゴロという意外性もあった。日本シリーズ阪神などを思い出すに、当てようとして自分のバッティングが出来ず四苦八苦という感じ。あるいは、ガンガン振った方がいいのかもしれない(もちろん渡辺のコンディションも、選手のレベルも、試合の位置づけも違うので一概には言えないが)。
 まあ、最後の小林雅英までらしさを出して一年を締めくくったロッテ。素直におめでというと言いたい。そして、しつこく何度でも書くが、来年のカープもこんな風に生まれ変われれば……。