ダンチヒの死

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 現地時間3日、アグネスワールド(ジュライC-英G1)の父として知られるダンジグ Danzig(牡29)が、繋養先の米・ケンタッキー州レイボーンファームで老衰のため安楽死処分されていたことが分かった。

 大種牡馬ダンチヒの訃報。29歳といえば、長生きの部類といっていいだろう。しかしなんだろう、俺はこの記事に、というか競馬マスコミの表現にけちをつけたくなる。「処分」はどうかと思うのだ。辞書には「始末をつけること」とあるが、あまりいい響きじゃあない。俺は俺をお馬さんへの愛情溢れるロマン派だとかだとは思わないが、これは気になる。もちろん、文字通り「処分」される馬だってたくさんいるし、それは否定できない。しかし、せめて競争を勝ち抜いてきた馬の死には敬意を。それがせめてもの、競馬を成立させるフィクションじゃないのか。だいたい、ダンチヒより偉い人間がこの世にどれだけいるっていうんだ?
 まあ、馬は自らの安楽死を選べるわけじゃないのもたしかだ。しかし、せめて「処置」や「措置」くらいにできないものか。あるいは、「予後不良」という競馬用語だっていいんじゃないかな。俺はそう思うのだ。そして、偉大なる馬、種牡馬の帝王に合掌。
 
※記事ではダンジグとなっているが、日記での表記はダンチヒとした。これは、ダビスタから競馬に入ったせいもあるが、ダンジグという響きの悪さを嫌うところも大きい。繋養されていたアメリカでは「ダンジグ」なのだろうか。以前、テレビでクレイボーンファームの取材をしているのを見たことがあるが、DanzigのDanの方にアクサンがあるらしく、後ろがどうなのかはよくわからなかった。まあ、カタカナになる時点でどうしようもない部分もあって、グダニスクダンチヒダンツィヒポーランドグダニスクのドイツ語による呼称)とか書かない限り間違いでもないだろうと思う。