タモリのこと

 スマスマのビストロなんたらをちらっと見た。何せタモリ出演だったからだ。そこでタモリは「人見知りなんですよ!」と衝撃発言で、俺は思わず頭の中でへぇーとなった。しかし、それ以上に印象深いのは、「テレビに出ている自分の方が、本当の自分じゃないかと思う」という発言である。日常生活が素で、テレビが作り物なのではなく、その逆であると。これには何かもう、実にうならされる思いである。そうか、これこそがタモリなのか、と。テレビで自由気ままに振る舞うところに本当の自分を見つける。それゆえに笑っていいとも!があれだけ長く続く。テレビに出続ける。はたして、他にも本当の自分らしさをテレビの中に見いだしている芸能人がいるのだろうか。そして、タモリとはタイプが違うが、みのもんたなどはテレビの中にしか生きていないタイプのように思えた。いや、みのはちょっと特別か。あれは特別かもしれない。しかし、タモリとテレビというのも、とても大きな何かだろう。こういうテレビの本質そのものに関わるテレビ出演者というのも、だんだん少なくなってきているように思えるが、それは時と共に移り変わるだけのものだろうか。