亀田興毅の帰還

http://www.sanspo.com/fight/top/f200607/f2006071901.html

★売り上げ目標50億円!興毅のイチ押しは納豆サラダ

 CM出演だのスポンサーだの、ビッグビジネスとしての姿をあらわしはじめた亀田三兄弟。これがまだ、世界チャンピオンになる前だというのだからすごい話。なんという先物買い。俺は思わず、先のクイーンカメハメハ(仮名、先の六億円牝馬http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20060712#p2)のことなど思い出してしまった。
 しかし、その対比はおかしいかもしれない。ローソンはローソンで、他の企業は企業で、今現在の亀田に宣伝価値を見いだしている。先物でもなんでもない、亀田はすでに完成した商品なのだ(先の牝馬についても、血統/母系の価値は完成しているかもしれないが)。その前では、ボクシングのタイトルは主役でもなんでもなく、脇役に過ぎない。
 考えてみれば、マスコミが注目し始めたのはプロデビュー前。そういう意味で、先に亀田があって、後にボクシングがあった。「なぜ日本人対決をしないのか?」などという批判は、その前で意味をなさない。

    • 「外人ばかりとやっている」という批判は、すなわち素性もしれぬ咬ませ犬とばかりやっているという批判。そして、「なぜ日本人とやらないのか」。ここで俺が少し疑問に思うのは、「日本人のかませ犬っていないの?」ということ。タイ人に比べりゃ貧しくないだろうが、金が欲しいボクサーだっているだろう。亀田と対戦すれば有名になれるかもしれないし、大手ジムやボクシング界に恩を売れるとなれば、進んで寝る選手だっているんじゃないだろうか。もしもそういうのを用意して「ほら、日本人対決やったよ」って言われたらどうするのか。もう、そういう機会はないのだろうけど。それとも、日本人ボクサーはみな亀田に敵愾心を燃やす反骨の闘士ばかりなのだろうか。そっちだったらすてきだとは思うが。

 一面からのみ見るのならば、人気のボクサーではなく、人気者がボクシングをやっている。が、もちろんその一面だけでは語れない。ミッキー・ロークとは違って、こちらには幼いころからの猛練習が裏打ちする、ボクシングの実力もある。が、門外漢からすると、何度も言ってきたが、その実力をはかりかねる。今や専門誌など買わずとも、ネットいろいろと見られる時代、専門家や熱心なファンの人たちの発言など見ても、いろいろあってわかりかねる(少なくともマスコミの温度とは違うが)。そういう意味で、「本当と強いチャンピオン」と目される選手との対戦が楽しみなのではあるが、果たして亀田が先にある世界で、そんなことが起こるのだろうか。
 門外漢としての予感にすぎないが、俺は八割方、亀田がいろいろな意味で勝ち逃げして終わるような気がしている。すっきりしないものを抱いている人には、最後まですっきりしないような終わり方。まあ、悲観に傾けておけば、逆が来たときにより楽しめるというのもあるけれど。次、とりあえず次は、WBAの会長だか息子だかの発言など見ても、勝ちは固いんじゃないのか。もちろん放送は見るつもりだし、見た上であれこれ言うぜ。弁当だって、食ってみてからあれこれ言うぜ。