混沌フライ級の明日はどっちだ?

坂田vs内藤vs興毅 三つ巴バトルぼっ発

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080801-00000011-dal-fight

 これを三つ巴と見るかどうかは異論のあるところだろう。亀田興毅の実力が未知数なので。しかし、一応は世界王者経験者であって、WBAWBCのランキングでそれぞれ一位と三位になってしまっているのも現実なので、とりあえず三つ巴の図式でいいだろうか。
 で、この三者を強引に分類すると次のようになろうか。
内藤大助…注目+実力
坂田健史…実力
亀田興毅…注目
 内藤は亀田大毅を踏み台にして、「国民の期待」とまで言われるヒーローに。その人柄もあって、ドラマまで制作される人気っぷりで、試合の視聴率も高い。実力も言うまでもなく、戦績ではポンサクに二度やられただけの強さ。一過性の人ではあるまい。
 坂田はどうだろうか。四度防衛の実力者であり、愚直に努力を積み重ねてきた尊敬すべきボクサー。が、しかし、おそらく人気と知名度という面では一歩劣る。ファイトスタイルも地味かもしれない(俺は好きだけど)。
 最後に亀田。内藤が「国民の期待」にのし上がった裏を返せば、亀田一家がそれだけ「国民の敵」や「国民の失望」であったということ。どうも昨日の乱入への抗議の少なさなどから、注目度は下がる一方に見えるが、まあ、まだまだネームバリューはあるだろう。なにせまだ長男は底を見せていない。というか、底と呼べるような深みがあるのかどうかわからない。まともな相手とやっていない。
 こうなると、三者の中で一番美味しい相手は亀田だろう。注目度、集客力(アンチを含めて)の割に、実力がない(と考えられる)。ここから考えると、「挑戦者が王者を選ぶ」というねじれは、亀田の弱さによって成り立っているとも言える。
 内藤にすれば、亀食いのもたらす威力は実感しているだろうし、実力のわりに人気の低い坂田より美味しい。
 坂田にしてみれば、対亀田でも対内藤でも人気食いのチャンス(本人がそういうタイプではなさそうに見えてしょうがないのだけれども)、しかしやるなら亀田がいいだろう。内藤に比べれば弱いし、ジムの遺恨もある。
 そうなると、弱いからこそ争奪戦の対象になっている亀田陣営の動向。これはもう内藤狙いなのは、あの行動からも明白。陣営のTBSにしてみれば、内藤vs亀田でドル箱のドル箱を狙っているのだろう。
 すると、内藤vs亀田戦になるのだろうか。今回のWタイトル戦前に、亀より先に内藤vs坂田の統一戦が見たいと書いた俺、今もそれは変わらないけれども、内藤vs亀田が楽しみでないわけではない。というか、この三人のボックスなら、どれでもいいよ。歓迎だ。でも、実力的に亀田がどうかわからん点もあるので、やっぱり先に国内日本人上位クラス、たとえば清水あたりとやってほしい。でも、そこで負けたら、亀田の商品価値は著しく下がるのは明白なので、それはやらないだろう。まだ王者に負けた方が当たり前で格好もつくし。
 まあともかく、今回視聴率も出たし、また地上波で続きを見られそうだからよかったよかった。この調子で、バレロやリナレス、サーシャの試合も見られるようになるといいな。それで、この三つ巴も、もっとどんどん広がって、外国人の強豪とか絡んできて、たとえばPonomrunglek Kratingdaeng……なんて読むのか。ポノムルンレック、ポノムルンレック・クラティン……ダエン? ん? クラティンデーンジム? ポノムルンレック・クラティンデーンジムか? WBCのランキングの名前、途中で切れてる……のか?
 と、今気づいたけど、地上波以外の経路無しにボクシングを見たいとなると、日本人世界王者がちゃんと君臨していてくれないといかんなあ。もしもポノムルンレックとポンサクレックデンカオセーンの三つ巴だとかになったら、スポーツ新聞には載らないだろう。いや、日本人の世界挑戦ですら放送されるとは限らない。なかなかボクシングの門戸は狭い。ともかく頑張れボクサー。リングの中はもちろん、ちょっと外でも。