亀田は明日もフニャフニャやで

http://www.nikkansports.com/battle/kameda/p-bt-tp1-20070220-159206.html

亀田大毅の対戦相手タフミルは自慢のタトゥーを披露するが、体はフニャフニャ

 この意図がよくわからない。坂田健史といえば、俺ですら名前を聞いたことがある選手で、世界王者一歩手前の、正真正銘の強豪のはず。しかも、ビッキー・タフミルから見たら一階級上。それで、タフミルが坂田を追いつめるなんていう演出であれば、大毅の相手を強いと見せかけるアピールになる。ところが、これでは商品価値は下落の一方。大毅とて上の階級なのだし、ボコって当然ということになる。おまけに、フニャフニャなのだ。しかも、写真を見る限り亀田まつりの“おじいちゃんボクサー”(id:goldhead:20061221#p1)と同じ人じゃないかと思うくらいだ。いくらタフミルの戦績がけっこうマジっぽく、そしてレベルがそれなりに高かったとしても、これではなんだかわからない。フニャフニャの体で相手のパンチを柳に風の要領で受け流し、ダルシムのごときズームパンチを放つわけでもなかろうに。いや、もしかしたらそういう強者で、あえて坂田をぶつけて疲弊させようとしたとか? それを見抜いたタフミルは相手にせず、ヌルッと受け流したのかもしれない。
 ……などと、門外漢にわからぬ頭を使わせるのって、ボクシングとしてはどうなんだろう? 俺は、プロレスが衰退した理由の一部もそれだと思う。物事の未来を予想するのはおもしろいが、人の思惑、決まっている物事を推測するのはあまり面白くない。競馬だって一緒で、使う側の思惑を見抜くのも競馬の妙味だが、「やり/やらず」ばかりに支配されると、まったく興味を削がれる。一対一のゲームならともかく、こういった興行のような距離では、そういうものだと思う。未知を見たいのだ。意外性を見たいのだ。そうでなければ、ページをめくる手がもどかしいほどの面白さを。それが提供できなければ、偶然性の神に委ねてくれ。自由にやらせてくれ。口でしてくれ、絶対に中には出さないから。

追記:http://boxon.jp/news/001360.php

「俺はポンサクしか狙ってない。あいつがカオサイ・ギャラクシーみたいに19度防衛して、20度目で俺がツブす」

 長兄亀田興毅の次戦対戦相手も決定。ポンサクレックに挑戦した実績などもあり、東南アジア系かませ犬とは違うようだが、果たして。しかし、この台詞って、デビュー五戦くらいで日本王者獲っての発言とかだったらさ、かなりかっこいいと思うんだけどな。しょーもないことばっかりしてて、どうにもしょーもない。もちろん、中身がしょーもない可能性も十分考えられるが、万一そうじゃなかったらもったいない。いくらなにをやっても色眼鏡。回り道してんのも、『沈黙の艦隊』に例えれば深町でなく海江田の解答であって、面白味にかける。いや、氷山の穴が見つかるまで身を潜める慎重派といえばそういうものかもしれない。