ステノキャプショナー

 朝の12チャンネル、朝は楽しく、ワイドショーよりバラエティ系情報番組の色合いが濃い。今朝は主婦向けの職業紹介といったところか。そこでのっけから出てきたのがステノキャプショナーなる仕事。どこかの外国馬のような名前だが、同時字幕職人、すなわち親指シフトを使う親指シフター……と思ったが、親指とは別物らしい(http://www.speed-wp.co.jp/laboratory/http://www12.ocn.ne.jp/~sokkidou/t10/)。高速度文字打ち込みにはいろいろな方法があるようだ。いずれにせよ、これがやはりすごい代物。一秒間に五文字、われわれがワンワード打つタイミングでワンセンテンス叩き込む。キーの少ないキーボードをさばく指先さばきが尋常じゃなく、おもしろい。何かの楽器かという具合。変換もシステムはほとんど狂いがないようだった。聴覚障害者用テレビ字幕という用途にスペシャライズしているからだろうか。耳の不自由な人の家に行ったおり、デジタル放送を字幕つきで見たことがある。この番組の司会者いわく、今後は全番組につけるようにという方針があるとか。だから資格さえあれば仕事の需要があるというが、まるで資格商法のようないいぶりで本当かどうか知らないが、スピードワープロ学院に通う学生も多い。ほとんどが女性だ。「障害のある人の役に立ちたい」、「主婦をやりながらも仕事ができる」……。誰か「究極のスピードを求めている。思考と同じ早さで文字を打ちたい」という人はいないのか。私は打ちたいぞ。いや、一番メーンに取り上げられていた女性は、速記への憧れからと言っていたので、スピード・クイーンかもしれない。しかし、「パソコンが苦手という人でも、キーが少ないから簡単です」と女性司会者、それはどうなんだろう。でも、下手にクセがついているよりいいのかもしれない。