ずったらずったら

 二十歳を過ぎてしばらくしたころだったろうか、偶然母と街ですれ違った。そして、家で言われた「アンタがあんな歩き方しているとは知らなかった!」と。どんな歩き方なのか聞いてみれば、なんか顎を突き出して、背中を丸めて、チンピラみたいにずったらずったら歩いているというのだ。そんなこと今さら言われたって、あんた俺がハイハイしているころから見てるだろうに、アンヨがオジョーズんときに矯正してくれや、などと思った。これが箸の持ち方(id:goldhead:20061026#p2)とともに、俺の中の見過ごされてきた矯正対象事案のツートップである。
 その後は多少気に掛けてます、はい。でも、上半身の姿勢はともかく、アンヨの方は相変わらずみたい。というのも、こないだちょっと歩いたときに、半分冗談で「靴もすり減ったよ」と同行者に靴の裏見せたら、かなり驚かれたのだ。何で驚かれたかというと、買ってしばらく経つけどそんなに長くもなく、毎日も履いてない靴の裏が、けっこうつるっつるにすり減ってら。そういえばなんか俺の靴音はおかしい。草履をひきずってるみたいだ。考えてみれば、日頃町中のちょっとした段差にひっかかることもある。ああ、今まで靴底を損していたのだ。ずったらずったら歩いていたのだ。こりゃあもう治らんな。ずったらずったらずーりずり。