銀シャリの思い出、きらら397の思い出

 上に書いたように、俺は胚芽米を失って銀シャリを食うようになった。その銀シャリは、あきたこまちがメインだった。たまにコシヒカリなどもあった。
 そんな中、一回、一回だけ食卓にあがった品種があった。「きらら397」である。俺はそのきららにいたく感動した。「こんなに美味しい米があるのか」と。何よりも固さがよかった。それで、べちゃっとせずに、一粒一粒が存在感を主張する。本当に、いたく、気に入ったのだ。
 だが、二度と実家の食卓には上がらなかった。母はこう思ったそうだ。「やっぱり安い米はまずいわね」と。俺にとっての美点は、母にとっての欠点にすぎなかった。固い米は嫌いだそうだ。母子だからといって、分かり合えないものは存在するのだ。
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 あの邂逅から幾年月、「そうだ、独り暮らししてるんだし、買えばいいじゃない」と思った。思ったが、どうも俺の行動範囲にきらら397は売っていない。生活の脚は文字通り二本の脚であって、ちょっと車で買いに行くことままならない。しかし、「だったら、ネットで買えばいいじゃない」と、つい最近の俺。けど、わざわざネットで米を買うか? ばかばかしいような気もしたが、しかし……。
http://asahikawa.hokkaido-np.co.jp/ine_kome_gohan/20030624.html

「きららは、もううちの店には置けません」。今年に入り、ホクレン東京支社の担当者は、首都圏のスーパーから相次いで取引中止を通告された。道産米のエース・きらら397。そのコメ袋が、次々と店の棚から撤去されている。小売店の「きらら離れ」はいったいなぜなのか−。

 とのこと。数年前の記事だが、さらにその傾向が進んでいる可能性はある。その証拠に、検索をしてもきららの扱いは少ない。なんてことだ、北海道米の悪評を覆した名米が……。
[rakuten:kodawarikazoku:10000031:detail]
 つーわけで、上のリンク先のを購入。送料込みで5kg約3,000円。そこそこいい米の値段かもしれない。が、買い逃すのは勘弁だ(牛丼やとか行けば食えるが)。まあ、「無洗米」というぐうたらな制約を加えたから、選択肢も少なかったのだけれども。あと、いくら弁当を作るようになったとはいえ、独り暮らしに10kgとかは厳しい。
 それで……続く。