『マトリックス・リローデッド』、『マトリックス・レボリューション』、『アニマトリックス』

マトリックス リローデッド [DVD]マトリックス レボリューションズ [UMD]アニマトリックス 特別版 [DVD]
 これでマトリックス・シリーズ総ざらいだろうか。ともかく、見た。リローデッドがどこまでだっけ。わかんねえからいいや。感想としては、だんだんアクションシーンに飽きてきたということ。というと、なんだけれども、カンフー、ワイヤー、特殊効果、最初の作品と次の前半ぐらいで出尽くしてるんじゃねえのみたいな。スーパーマンドラゴンボール入ってきてもなあ。それで、もっとSFやってくれよみたいなところもあってさ。まあ、趣味の問題だけどさ。そんでもまあ、こんだけのもんだ。金字塔だ。それで、最後の戦いだけど、そのまえにスミスにあれが何を仕掛けておいて、スターバトマーテルのミレニアムを荒巻素子が制圧したときみたいなやり口だったんかな? まあ、ええか。
 それでさ、『アニマトリックス』。最後にこれ見たんだけど、これの方がえらく印象に残ったり。あんまり知らないでとりあえず見て、「海外のアニメってのはよく知らないが、こんなにいろんなのあるんだな」とか思ったら、日本製と思ってたもの以外も、つーか、ほとんどがほぼ日本製みたいなもんだった。すげえな、アニメ、いろいろやれるんだなって。「BEYOND」のすごさとかにはコロッといってしまう。もっといろんなアニメ見たいなって。
 それはそうとして、マトリックスのストーリーとして。最初の二本、セカンド・ルネッサンスがいわばマトリックス前史。脚本も兄弟によるもの。本来は映画に入れたかった要素という。これを見て、俺はちょっと「あれ?」と思ってしまった。
 これはマトリックスができるまでの歴史。すなわち、人間対ロボットの争いがいかにはじまったか、なんだが、いきなりロボットが、給仕ロボットやら建設用ロボットやらが、心付き、知能付き、人格付きなんだな。いきなりゴースト入ってる。これに「あれ?」と思う。鉄腕アトム的というか、ドラえもん的というか、21エモン的というか、いきなりそれなんか? と。いきなりそんなロボットなんか。心ないロボットから、そうでないロボット、A.I.へ。そこのハードルというか境界というかラインみたいなのがあって、それでもってさらに人間に近いものを作るかどうかとか、そういうのがあるんじゃねえのかって。それができた上で、ロボットの人権とかって話になるんじゃねえかって。そこんところが意外だった。ロボット三原則とかねえのなって。
 むしろ、ありがちな形とはいえ、人間が政治やなにかの一部を高級A.I.に託しはじめたりとか、そういうところからかと思っていた。ロボットの国、戦争、ちょっとロボット側の中身がなんなのか、目的がなんなのかわからん。映画中にもしょっちゅう選択、目的の話は出てきたが……。
 ああ、あと、そうだ、『マトリックス』ってサイバーパンクなんだけれども、ちょっとサイバーパンクでもないところがあるなって。それはあれだ、機械の人間化はあっても、人間の機械化、サイバー化がないからだ。頭の後ろのプラグ、電脳世界への接続は完全なサイバーパンクだけど、それって機械がエネルギー採取のために造ったもの。前史的な部分でも、人間自らの改造は描かれていないし、映画内でもあくまで生身の人間は生身の人間。そこはあくまでローテク。その技術力がない、ということなのか、その世界内であえて選択しなかったということなのかわからんが、サイボーグを出さなかったのは意図的なところがあるのかもしらん(EMPで活動停止しちゃうからか? つーか、ザイオンも機械の想定内で築かれているんだわな)。
 それと、アニマトリックスの方が面白い点は、マトリックス世界がきちんと描かれている点。本作の方だと、二作目、三作目になるにつれ、マトリックスというせっかくの舞台が、単なるゲーム空間みたいになっちゃってて、なーんかもったいないってところがあった。そりゃあ、気づいた方の目から見たら、全部作り物だけれども、中で生きてると思ってる人は思ってる点のリアルがあるべって。そのあたり、アニマトリックスの「BEYOND」やら「A Detective Story」、面白さがあった。
 というわけで、えーと、なんだっけ、ともかく、しかし、これだけのもんはさすがにこれだけのもんだったというところ。このクラスでもっとサイバーパンクが見たい、ハードSFが見たい、そんなところ。ハリポタ以降ファンタジー大作がいろいろ多く造られているようだが、SFのそういうことは無いのか。いや、無かったわけか。