年を越してからダウンタウンガキの使い、絶対に笑ってはいけない病院24時。全員罰を受ける側ということへの賛否はあるだろうか。山崎邦正が真に病院的な理由で抜けた分、ちょうどよかったのだろうか。
笑いが抑圧された中では、何事も強力なギャグになりうる。その当たり前の原理を、大きな規模で具現化したこのシリーズ。仕掛けの大仰さの反面、転がるボールペン一本の存在がいかに大きいかが妙味である。
あるいは、しゃべらずにはおられない、笑わせずにはおられない芸人の宿痾。ダウンタウン間で交わされるバウムクーヘン、そして冷凍パンにマヨネーズ。すべらない話とは言わないが、なぜだか面白い。
遠藤章造と千秋。千秋、そして遠藤章造。画面に現れぬ裏のストーリー。知った目で見ると、彼の、彼女の表情は実に雄弁である。つらいのは君だけじゃない そう、僕たちだってだるいのさ。
追い詰められた感が薄かったのはなぜか。罰ゲームがゆるそうに見えたせいか。あの棒の固さは知らぬが、あれだけフルスイングすればファーストミットになるかもしれない、が。すこし、ぬるく感じたのはなんだろう。
なぜ病院なのに、西川史子が出ないのか。その代わりといってはなんだが、ヘイポー謝罪文シリーズでMEGUMIを織り込んだのは悪くない。一方でハリセンボンはリンカーンで見せたほどではなかった。
ジミー大西の破壊力は相変わらず。なぜサルやブタを味方につけられるのだろうか。ふつうの人が一生に得られる笑いの神の微笑みの量と、彼のそれの差を考えずにはいられない。あるいは芸人たちのそれとも。
板尾創路のブラックジャック。板尾もまたそうだ。なんだあの世界観は。後から来るタイトルコール。これだけで何でおもしろいのかわからない。ピノ子役の子が無駄にかわいかったのもよくわからない。
三つの落とし穴。どれもハマっていた。ムッシュかまやつに過酷なことをさせても平気なくらい、楳図かずおにも厳しい番組。東幹久は好演と言っていいだろう。マイケル富岡のダイブ勇気もリスペクト。
ビデオで見たのだが、CMが多かったようにも思う。リモコン操作が面倒だった。しかし、リアルタイムで見ていないのでどうだかわからない。年越しの無愛想さが味わえなかったのは残念だが。
ショウヘイヘーイ、今夜が山田。あるいは劇団ひとり、そのあたりは無かったのか、あるいはカットされたのか。未公開編で見ることができるのか。昔のシリーズともども、いつかDVDが安く手に入れば幸いなのだが。
なるほど、たしかにこのシリーズも長くなった。慣れという笑いの敵も力を増している。しかし、これだけ大がかり、また小規模に工夫された笑いも他に得がたい。来年以降も、ぜひ。