ディアヤマト大井へ

管理する高橋裕師は「今の中央のシステムでは3歳ダート路線にはユニコーンSしか重賞がない。オープン特別を使うにも、重賞を勝っているこの馬は負担重量が重くなる。地方の舞台の方が能力を出し切れると判断した」と説明した。

http://www.nikkansports.com/race/p-rc-tp0-20080118-308569.html

 人(騎手・調教師)の移籍についてはなかなか壁が取り払われない日本競馬だが、こと馬の所属に関しては自由度が高くなっている。たしかに、三歳春のダート馬の路線というのはなかなかに厳しい。勝てば勝つほど斤量を背負い込んで、オープン特別を戦っていかなければいけない。
 ……って、ひょっとして交流重賞も少なく、星の名前のついた重賞もなかったナリタハヤブサ時代の再現、これが伝統にのっとった中央競馬ダート路線?
 というのはともかく、ディアヤマトは大井へ行く。しかし、上のコメントが調教師というより、馬主サイドっぽいな。まあ、「(馬主は)地方の舞台の方が能力を出し切れると判断した」ってことだろうかね。それとも、自厩舍に戻ることを前提として、長期的にディアヤマトの競走生活を計画しているのだろうか? となると、たとえば、ある中央の厩舍がある地方の厩舍と提携するような形で、さまざまな選択肢を保持しつつ、包括的に好採算を追求したサラブレッドのマネージメントを提供します、みたいな。
 などというのは、かなりポジティブな見方だろうな。現実的には、ちょっと古いが下の野元賢一記者の記事みたいなことだろう。一勝させて五百万出走権を得て出戻り、と。それがいったいどういう形で進んでいるのか、本賞金欄の二桁数字を見るたびに思うが……。

 まあ、いずれにせよディアヤマトは前向きに大井へ。京浜盃25,000,000円、羽田盃40,000,000円、東京ダービー45,000,000円……。1,500,000円の安馬にして元中央所属で地方重賞勝ちのテイエムサンデー産駒、ダート天下獲りを目指してくれ。だが、南関の壁はそんなに薄くはないと思うぜ。