さて、帰るか

 雪が降るのを待って帰ろうと思っていたのに、まったく降る気配がねえじゃあねえか。騙された。ただ寒いだけだ。ただこんなに寒くても、午前三時でも、午前五時でも、寿町のあたりは人がうろうろしているので面白いのだ。
 日曜だった。競馬の結果……は、東西メーンはかすりもしなかった(東は好みで買った。ゴールドストレイン。両親とも好きだったので)が、最終などで爆血馬が金をくわえてきてくれた。これがなんというか、最新の、現代的な、競馬の予想法というか、そういうものだろうか。正直言って、戦慄もの。いや、馬券に真面目にとりくんでいた人にとっては、今の俺の的中率など当たり前のラインかも知れないが、これという考え無しに十年馬券を買ってきたものにとっては、ちょっと衝撃なのだ。なにせ、ほとんど出目表なのだから。いやはや。
 でも、回収という意味ではまだまだだ。ただ、まだ伸びる余地があると思う。買い方の問題だ。本書が推していた買い方は、基本的に単複。しかし、全レース丹念に目を通せない以上、そして、楽しみのために、やはり買い方だ。助平心だ。そのために検証された回収率を下回ることはいとわない。だからあとは、どう活かすかだ。どこで勝負するかだ。三連単、三連複。俺は助平で阿呆だ。でも、この武器がある。この武器をどう活かすか。この出目には賞味期限がある。サンデーサイレンスの子、エンドスウィープの子などの数は少なくなった。新しい種牡馬たちの台頭。これをどうするのか。続編の本は出るのかわからない。ネット配信の情報料を俺が払えるのかわからない。だから、今のうちだ。