チベットプロブレムアゲイン

(CNN) 中国の武和平・公安省報道官は1日の記者会見で、チベット独立派の武装勢力自爆テロを計画していると発言し、インド北部ダラムサラチベット亡命政府が直ちに否定した。
AP通信が入手した記者会見内容の翻訳によると、武報道官は「チベット独立軍の次の計画は、自爆テロ部隊を組織し、暴力による攻撃に乗り出すことだと理解している」と語ったが、具体的な詳細や根拠は明らかにしなかった。

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200804020024.html

 勢いに任せてがーっと連日チベットについて書きなぐってきたけれど、知識のなさに限界を感じて止めてしまった。しかし、年度末は忙しく、情勢は日々変わり、春ならではの個人的憂鬱なども加わって、とくに勉強もできない。また、チベットばかりとりあげて論ってよいのだろうかなどという自分の容量をあきらかにこえた問いなども生まれて、愚者は口を閉ざすのがよいのではないかなどとも思うも、やはりこのような報道を見るとちょっとどうかと思って、たとい己が己より優秀な人間から見て無知であり無恥であり偏狭な見識から持ち合わせていない人間であろうとも、澎湃とこの身から湧き上がるものに関してそれを否定するにはいたらぬとも思うようにもなった。理由はなんであれ、たとえば口を閉ざせば、このような中国共産党のろくでもない物言いを許容するような気にすらなるのだ。
 ところで、この中共の物言いは、あきらかにアメリカによるイラク攻撃の口実を想起させるようなものであると思う。世界の人々に「チベット独立軍自爆テロ計画」などというものを信じさせようというより、それによる反中勢力の分断をはかっているように見える。結局イラク戦争の口実となった大量破壊兵器は出なかったし、例のタワーに突っ込んだハイジャッカーにイラク人はいなかった……、いや、サウジアラビア人がほとんどだったけど、えーと、内訳は……というところからはじまって、結局俺はイラク戦争に対していかなる見識を持つのか、というところに至ると、材料不足の無知で白旗を掲げざるをえない。そこで中国共産党が「アメリカの偽りの戦争をお前ら日本人は支持しておいて、われわれを叩くのはダブルスタンダードではないのか」と言われれば、確かに俺はとくにイラク戦争反対などという意思表示をしたことはなく、今さら反対だといったところでそれは姿勢をあらわすための口から出た言葉にならざるをえない不誠実さについて俺は俺を指弾せざるをえない。ここで中共が悪魔の笑みを浮かべて「お前はダルフールに言及の一つもしないで、チベットだけ触れるのはどういうわけだ?」などと言われると、さらに困ってしまう。
 いや、困るものか。俺は文殊智慧も千手の手も弥勒の救いも持ち得ぬ糞袋。困ったところで何になろう、片思いでチベットを思っていまのところ他は顧みぬ。それでいい。この糞袋一袋の誤りでどれだけのものが損なわれよう。願はくは中共の暴虐を真砂一粒でも損なうものであればよい。俺はわがままなブーイングをやめない。生まれたときだって泣いていた。