世紀の対決、ディープインパクトvsトーセンの呪縛

 国内最大のサラブレッドのセリ市「セレクトセール2008」(日本競走馬協会主催)は16日、北海道・苫小牧のノーザンホースパークで最終日を行い、「トゥザヴィクトリーの2008」(牡、父・シンボリクリスエス)は、トゥザヴィクトリーの馬主でもあった金子真人氏が8000万円で落札した。金子氏はディープインパクト産駆の「エリモエクセルの2008」(牝)と「キッスパシオンの2008」(牡)をそれぞれ8000万円と9000万円で落札。自らの愛馬の2世たちに“夢”を託した。
 また、この日の注目馬「ミルグレインの2008」(牡、父・ディープインパクト)は、前日「ビワハイジの2008」を2億2000万円で落札した島川隆哉氏が1億円で獲得。「シルクプリマドンナの2008」(牡、父・ディープインパクト)は9200万円でアドマイヤの冠の近藤利一氏が落札した。

http://www.sponichi.co.jp/gamble/flash/KFullFlash20080716036.html

 とりあえず、種牡馬ディープインパクト市場はなかなかの出だしのよう。小柄な子が多く、値段にばらつきがということもどっかで読んだが、まあ上でこんだけいけばいいだろう。
 で、競馬ファンとしては、少し長いが全文引用させていただいた上の記事を読んで、何かしらの予感がするわけである。おそらく、多くの競馬ファンが同じことを考えるはずである。「トーセン島川氏が落札した2.2億円馬より、金子真人ホールディングスの0.8億円馬の方が走りそう」と。あるいは、アドマイヤの方が、と。
 でも、そろそろトーセン氏も当たりを引いていいんじゃねえかと思う。高い馬が安い馬より走るとは限らないが、高い馬の走る確率の方が、安い馬の走る確率よりは高い。その高い方に居座って勝負してるんだから、そろそろ当たっていいだろうと。メイショウさんがG1まで長く長くかかったという例もあるけれど、このなりふりかまわぬ高馬買い、当たってもいいだろう……、って、そんなこと前に書いたような。

 うーん、何の話かと思えば、純金コケシをディープ産駒の当歳馬と同じくらいの値段で落札した話だった。まあ、こういうレベルの人に金銭云々は問題じゃないってところか(もちろんメイショウだろうとテイエムだろうと、俺から見ればみな同じなんだけれども)。
 しかしまあ、現代競馬においてほとんど奇跡的な成績を残したディープインパクト。まだ種牡馬としてはわからんが、この何かを持っていた特別な馬の子ならば、トーセンの呪縛を破れるだろうか。トーセンインパクト(と、決まったような気もするが、案外そこまで安直な名付けをしていないトーセンウマヌシ)は活躍するだろうか。サクラテルノオー産駒なのにトーセンチヨノオーと名づけられた馬より稼げるだろうか。これには注目だ。結果、ディープ産駒で走ったのはトーセンディープだけだとかなったら、それはそれで面白い。だから、まだしばらく死ねないぜ、って思う。