この日記に記されること記されないこと

この日記に記されること。俺のだいたい半分くらい。かなりの本音。記されないこと。俺と女のこと。実名的なこと、仕事の詳細。そして、さらけ出してさらけ出して、それでも、やっぱり恥ずかしいからしまっておくべきこと。
性的な嗜好くらい、さらす。学歴だって、さらす。でも、なんか、ちょっと隠したいこと。しかし、それこそが、俺? 俺は、俺を記録する俺マシーン。やはり、できるかぎりのことは、記すべきだ。いつ、こっちの脳味噌のハードが、ぶっこわれるか、わからない。ぶっこわすかわからない。だから、一つ、秘密をさらす。
俺は、プロテインを喰っている。
肉体に対する、コンプレックス
プロテイン? なにがはずかしいの? そう思う人も多いだろう。でも、俺は、なんか、プロテインに対して、引け目がある。俺、プロテイン喰ってるんだ、と、なにか言いにくいような、ところがある。身体的な、コンプレックス。劣等感。背が低い。いや、背とは関係ない。とりわけガリガリでもないし、太ってもいない。中肉。でも、ぷよぷよしている。身体がやわらかい。二重の意味で。筋肉とは、無縁。そんな俺。
力が欲しいのか? 貧弱な坊や。貧弱な坊やというと、ブルワーカー。ブルワーカーというと、プロテイン。プロテイン飲んで、筋骨隆々になりたいの? そう思われるところに、なにかがある。俺は。
でも、俺は自転車に乗り始めたんだ。運動はけっして嫌いじゃなかったが、かといって学校の体育を離れてなにかをするということのなかった俺、自転車に乗り始めたんだ。「せっかく運動するのだから、むだにしたくない」と思う。精神の吝嗇。けちんぼ。「ちょっと高いけど、せっかく運動するのだから、ヘルシアを飲んでおくか」。
……だったら、プロテイン? でも、プロテインって?
プロテインとは何か
俺は、このサイトを読んだ。たいへんためになった。はっきりいって、読むべき。俺はここで、「プロテインとは、食べ物」、「プロテインとは、タンパク質」、「タンパク質は、必要」、「タンパク質を、肉食いでみたすのは、大変」などと学んだ。プロテインに対する、偏見、先入観などが、いろいろとくつがえされた。
タンパク質、肉と俺、俺と肉。俺の生活、肉量は少ない。野菜が多い。肉は、高いからだ。だったら、本当の意味での栄養補助として、プロテイン。さらに、運動を無駄にしないために、プロテイン。プロテイン、プロテイン。
俺は、プロテイン。俺は、プロテインを買った。安くない買い物。でも、買った。

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これを買った。まず、360gのを買って、そして1.2kgのを買った。買って、喰っている。
俺はザバス喰い
●長時間動き続ける、持久系アスリートのプロテイン。
ああ、ごめんなさい。俺、アスリートではないです。アスリートから、すごく遠い。昨日今日、入門用クロスバイクにまたがりはじめただけです。運動部の経験もない。でも、プロテイン、飲みたいんです……!
でも、通販というすばらしさ。スポーツショップなどで、アスリートに混じって、こそこそと、恥ずかしく、レジに持って行く必要は、ない。アマゾン。アマゾン。
そして、俺はプロテインを喰う。ザバスを喰う。ダイソーで買った、プロテイン用シェイカーに、付属スプーンで三杯(実は、途中から、なにかの勘違いで、二杯だと思いこんでいた。最近、気づいて、戻した)、そして牛乳、もしくは低脂肪乳。シェイク。少し泡立つ。バニラ味。美味!
そうだ、美味いのだ。俺は、それを言いたい。俺は、甘い物が好きだ。スイーツな人間だ。その俺が、これのミルク割り、積極的に、飲みたい、というくらい、美味しい。だから、俺は、たぶん、もっと他のプロテインの方がよい、ということになっても、このバニラを買うと思う。買う金が、ある限りは。「プロテインは不味い」というイメージもあった。が、これは、「不味くない」ではなく、「美味い」だ。
プロテインの効用
さて効用だが、本当は、三種類の俺を用意する必要があるのかもしれない。「クロスバイクに乗らない俺」、「クロスバイクに乗り、プロテインを飲まない俺」、「クロスバイクに乗り、プロテインを飲む俺」。用意できない。また、数値を提出する必要があるかもしれない。体重、体脂肪率、筋力、など。これも用意できない。
なので、これは個人的な感想です、といいたいところだが、はっきりいって自分でも「クロスバイクに乗り、プロテインを飲まない俺」、「クロスバイクに乗り、プロテインを飲む俺」の差を実感できない。なので、わからない。プロテインをひそかに摂取しはじめたのは、クロスバイクに乗り始めてすぐだったと思うので、よくわからないのだ。
そういえば、クロスバイクに乗り始めたころ、唯一知っているリアルでの自転車乗りの人に、「すぐジーンズの太ももがきつくなりますよ」などと言われたりもした。だとすれば、単に乗っているだけでも、鍛えられるのかもしれない。だから、要するに、「最近どうも太ももとか少しムキムキになりつつある」などという理由を、プロテインに求めていいのかどうかわからない。
ただ、俺は、三種類の俺の中の、一種類の俺として生きるしかないので、これこれこういうわけだ、ということだ。
そうだ、俺は、俺の太ももが、脚が、まだぷにぷに気味ではあるものの、よくわからない盛り上がりを感じているのもたしかだ。また、三十になるまで、運動をしなかった人間が、一日90km近くという、そんな、自分としては意味不明の距離を走っても、まあとくに平気というあたり、そんなあたりは感じている。
だから、俺は、プロテインの効用について、「いろいろ身体の具合はよい感じだが、飲んだおかげかどうかわからない。この一種類の俺としては、飲んでいて悪い気はしない」というくらいしか言えない。まあ、何より、「せっかく運動するのだから、何かもっと得になることをしなければ」感が、満たされるのがいい。
俺ははじめから一人で、終わりまで一人でいいんだ
以上で、しょうもない告白を終える。俺の俺の肉体に対するコンプレックスは、前々からのことで、それについては何度も書いてきたが、それを克服しようというところを考える/書くことは、ひっかかりがあったのだ。ここのところに、俺の何かがあった。また、俺は、最近、自分が「学びたい」ということについて書いたが、これも、ちょっとこれと似たようなところがあった。俺は、俺の無知・無学について晒すことに、なんのひっかかりもなかったが、俺は、俺の上昇したいという気持ちについて、あえて否定して望むところがあった。
なぜだろう? そちらへのベクトル、その集団、目に見えない、名前もない集団、序列、ヒエラルキー、そんなものに加わりかねないことが怖かったのかもしれない。そこで、結局負ける自分を見ることが怖かったんだ。
でも、俺は気づいたんだ。俺は一人で、ぜんぜん自由だって、どっかで気づいたんだ。そんな集団は、見たいやつが見ればいいし、加わりたいやつが加わればいい。
もちろん、俺が「なんにも加わっていない一人だ」といったところで、それは欺瞞であり、あるいはその意思表明自体が一つの集団に加わることになる。俺は属性に無縁ではありえないし、何もしないことも一つの選択だからだ。
でも、俺が俺をかしこくしたい、俺が俺の身体を鍛えたい、そう思うところに、それを為すところに、俺が望まないのであれば、俺は誰かと俺を比べる必要なんてない。
もちろん、先に走っていった誰か、似たようなことをする誰か、彼らから学ぶことは多い、励みにもなる。でも、別に、その集団になることはないんだ。一人一人、めいめいそれぞれ勝手にやっているところで、遠く、なにかやってんな、と、なんかその程度のゆるい感じでいいんだ。ペダルを漕ぐ俺は一人だし、どこまでいっても一人なんだから、何にも気にする必要はないんだ。それぞれに勝手にやろう。俺も勝手にやる。それでいいんだ、俺はそう思う。それじゃあ。