クソなのは手書き履歴書でもハンコの角度でもなく雇用情勢じゃねえの?

 ここら辺の話なんだけど、火種のおっさん叩かれすぎじゃねえのかって思う。なんかこう、すげえ奇抜な才能とか、斬新な発想求めてるような業種や職場じゃないんなら、普通の事務仕事できそうかなこいつってのは問題になることだろうし、履歴書みてえなそれなりに大事な、まあ出す本人オフィシャル書類みたいのがいい加減だったら、そりゃマイナスになるだろう。なんかこう、書類不備で、入札の現場から帰らされてしょんぼりしてるおっさんとか、人生の悲劇だし。
 ああ、しかしね、そりゃ俺だって、そういうの、そういうノリ、クソ無駄だと思う。これは正直。職場で、人がエクセルで作った見積書の罫線がどうのだの、ハンコの位置がどうのだの言ってやり直そうとしてたら、「そんなんクソどうでもいいことじゃねーっすかね? 金額間違ってなきゃいいもんでしょうが。紙と時間の無駄っしょ」(←一応敬語のつもり)ってマジ言うし。タイムテレビとかで確認してくれていい。それにだいたい手書きとかマジ苦行。


 上が競馬予想のメモに、下がアサヒ芸能のエロDVD全員プレゼント応募はがきなんだけど、こんな感じ。これは強烈。本当に、世の中全部の文字入力がキーボードとかiPhoneとかになればいいと思う。俺マジ打つの速いし、半角、全角とか約物とか気を使うし。
 それにまあ、なんだ、この日本的な因習とかよ、労働、体育会系、餃子の王将の研修みてえなの大っきらい。なんだけど、この履歴書の話はさ、ようわからんけど、そんな一企業責めてもしゃあないし、あるいは風習責めてもしゃあないような気がするんよ。いや、正味なところ、まあ二軸対立してるとして、俺はそっち側のような気もするんだけど、どうもこれに関してはこっち側かな、みてえな。
 たぶん、履歴書の些細なミス、重箱の隅つついて、そんでざっくり候補を半分にしても、残りの半分から十分に選べるような、そんな状況じゃねえのか、と。手書き履歴書がたまたま雑に見えた人間落としたことによって、うまく働ける人間を見逃すリスクより、履歴書きっちり書けてなおかつうまく働ける人間を少ない手間で拾えるメリットの方が大きいんだろって(←悪文)。

"判子と写真がだめな東大生と 判子と写真がきっちりしてる中卒だったら "<たぶん、ハンコと写真がきっちりしてる東大生が余ってるってのが現状なんだろ。 2010/06/22

はてなブックマーク - goldheadのブックマーク / 2010年6月22日

 そんな風に俺は思うんだけど、どうだろうか。
 要するに、もう人間がクソ余り状態で、必要とされてる人間なんてのはごく僅かで、ほとんどの人間が毎日毎日「お前は不要だ」って仕分けされてるようなもんだろ。それで、会社勤めだろうが会社経営だろうが、そっちの方だって、いつ不要の烙印押されて惨めなクソ地獄に落ちるかわからないところで生きてんだ。そうなるともう、意外性のある人材を採る余裕も、ダイヤの原石かクズ石かわかんないの採る余裕もないし。「いきなり開幕二番セカンドスタメンで」みたいなとこ要求される。一年目から中継ぎでフル回転して肩壊す。いや、関係ないか。
 まあともかく、企業にとって人雇うのは、新しいレーザープリンタ買うかどうかとは比べものにならんリスクを背負うことだし(まあ、自転車操業の零細にとっては新しいパソコン一台買うのも死活問題だが)、でもじっくり人材選びしてる余裕もない。そういう制度じゃない。結果、クソ大量の求人からザックリ削った上で見なきゃいけねえ。それで使える人間逃してる可能性はあるけど、その可能性に比べりゃ、目をつぶって半分に減らしたところで、それでも使える人間えられる可能性が高い。だったら、アイウエオ順で並べられて、タ行以下の履歴書がゴミ箱押し込まれるくらいなら、まだ「写真まっすぐの方がよくね?」って、クソ面倒な労力払った人間すくい上げる方が幾分マシだろ、目クソ程度には。つーか、これはもう俺個人の得手不得手からくるポジショントークだけど、「大学のサークルではリーダーでした!」みたいなクソコミュニケーション能力アピール大会よりマシだろ、なんとなく。
 それでまったく、俺がでかいクソだと思うのは、こんな労働が強制される世界そのものであって、死ぬほど働きたくない。でも、俺、働いてるし、正社員様じゃん。なにそれ勝ち組。でも、俺、就活どころか履歴書書いたことない。マジ。でも、なんか流れ着いて生きてる。ただ、こんなのは鉄砲水に流されてたら針の穴を通りましたような偶然。で、なんつーか、こういう偶然が偶然じゃなくて、当たり前になりゃあいいのにと思う。「なんだお前、履歴書ひとつ書けねえのか。でも人手足りないから雇ってやるか」みてえなさ。道歩いてたら、「この環境にいい洗剤を一緒に売りませんか?」とか。いや、死亡フラグだし。
 そういや、俺の伯父の話なんだけど、まあもう何十年昔か高度経済成長、昭和の頃。なんか商社の入社試験受けにいったら、わけのわからん数学とかの問題出て、こりゃあかんと諦めて、用紙の裏側に「会社に入ったらやりたいこと」をひたすら書いた。中国語で。それで、なんかわからんが採用されて、今はその年代らしい余裕のあるところにいる。
 いや、中国語できなくてもいいんだ。なんつーのか、もうそういうのは、牧歌的というか、そんなのは、遥か高いレベルや、絶対数の少ないところではありうるかもしらんが、ちょっとねえだろ。つーか、クソ下流零細の俺のクソ狭い観測範囲ではみんな死にかけてるし、じっさい死んでるんだ。そんなところから見ると、新しい人間雇おうってのは見上げた根性だ。そりゃこのご時世、選ぶ側があまりにも強力で、既得権益者の勝ち組で、そんなんただそこで息してるだけでぶっ殺されておかしくないような状況で(俺だってぶっ殺される権利がある)、なんかエラソーな小言を絵文字付きで語られたら、あんなんなるよ。なるけどよ、べつにそいつが「履歴書100枚出せ、手書きで」とか言ったわけじゃないし、なんか敵はもっと遠いところにいるって、そうじゃねえし、なにが敵だかもはやまったくわかんねえけど、なんかモヤモヤするな! よくわからん、寝る!