【競馬ファン注目】Hats off(ハッツオフ)計画はすばらしい、そして面白い


すばらしいHats off

馬も流され、仕事もなく、金もない人も多い。どれだけの人が集まれるのか分からない。でも馬が走り、旗が風を切る音はゾクゾクする。あの音を聞くために家業を継いだ。今年も聞きたい。文化を絶やしてはいけない

http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110428k0000e040048000c.html

 この引用、元記事が消えてしまったが、相馬野馬追の旗染め職人の人の話である。なにか近代競馬とも変わらぬ消息があるように思えた。また、相馬野馬追自体、引退した競走馬が走るなど、競馬と無縁ではない。逆に、大井で披露するイベントなども行われていたかと思う(俺はまだ見たことないのだが。関係ないが、鎌倉出身のくせに流鏑馬も見たことがない)。だから、震災後、競馬ファンのはしくれとして、「JRAや大井は相馬野馬追いに肩入れして支援してもいいんじゃないだろうか」などと思っていたものである。それならば、俺も参加したいと。いろいろな人が、いろいろの募金や支援などするだろうが、せっかくなら馬絡みにと。そんなことを思っていたら、ハッツオフ計画というのを知った。これはすばらしいと思った。

国際競馬サークル日本馬事支援「ハッツオフ(Hats Off)計画」
 この度、本年3月に発生した東日本大震災および福島原発問題で苦境に立たされている福島県の日本古来の馬事文化存続、そして震災遺児の教育資金支援を目的として、海外のサラブレッド産業界有志による被災地の馬事文化復興支援プロジェクト・ハッツオフ計画(Hats Off for Japan)を立ち上げました。  ハッツオフ計画では、日本以外のサラブレッド生産国、或いは競馬開催国の競馬事業体、関係者等から提供された同産業に関係するデザインの帽子を、本プロジェクトの趣旨をご理解くださる皆様へお引取りいただき、それによって得られた収益全てを福島県相馬地方で地域文化存続のために奮闘される関係団体、そして震災により学業困難となった次世代を支える福祉団体へ寄付いたします。

Winchester Farm

 どこで知ったかといえば、日本ダービーの行われる東京競馬場でであった。せっかくだから俺も帽子を買い求めようと思った。ちょうど当日、いい馬券も当てたのでいい感じかと思ったのである。しかし、売り場近くに行ってみると、どこかで顔を見たことがあるような競馬関係者の人たちが売り子をしており、支援者に拍手などしてにぎやかな雰囲気。どうも気後れして、もう少し静かにやりとりしているときに行こうと思った。思ってみたが、最終レースあたりに行ってみても似たようなもので、さらにちょうど最後売り切れたところだったのである。
 そして、帰ってからネットで参加できないか調べてみたら、上記のアドレスに方法が載っていたので、メールを送ったのであって、手続きをして、それが届いたのである。ネット経由ということでいろいろの手間や送料がかかってしまうところは申し訳なくは思う。ちなみに、後日の東京ダービーでも同じくコーナーが設けられており、俺も間が悪い。

 それで届いた帽子がこちらである。何が来るかはランダム、というところがいい。世界の競馬というところもいい。はっきり言うが、俺はチャリティーでもただ募金するのにはあまり乗り気になれない。引き換えになにかがほしい、そういうタイプの人間である。そういう人間にとって、こういうイベントはありがたいのだ。なにせ、金を使う大義名分みたいなものが生まれる。この場合の大義大義と呼べたようなものでなく、自分の心の中の財務省マターなのではあるが。
 そういえば、震災直後の買い占め騒動のさいに、どこかで「ふだん物が買えなくなっている人間の反動、祝祭」のような物言いを見たと思うが、それに近いものがあるかもしれない。俺についていえば、そもそも金を使っているときしか肯定感を得られないような人間であって、それも自分に対する肯定でなく、自分の持っている金に対して、商品なりサービスなりの代償として認められるという肯定なのであるが、まあそのくらいしか自分についてなにもない人間の有能感をわずかなりとも満たす方法はないといえる。
 話を戻す。さて、一応の競馬ファンとして気になるのは、帽子それぞれの出自のようなものである。こういったものも、インターネッツを使えば軽く調べられるというのがこの時代であってすばらしい。これについて、書物をあたったり、人をあたったりしなければならない時代の方がマシだったということはないように思える。あくまで、軽く調べる範囲での話だが。

ENCOSTA DE LAGO

 向かって左から行く。ENCOSTA DE LAGOと前面にある。側面にオーストラリア国旗、もう一方にはCHAMPION SIREとあって、裏の留め具部分にはwww.coolmore.comとある。これはもうほとんど正体は割れているようなものだ。オーストラリアのチャンピオンサイアーであるところの、クールモアに繋養されている種牡馬エンコスタデラゴの帽子というわけである。ただ、俺はエンコスタデラゴを知らない。

 あ、産駒のセイクリッドキングダムって聞いたことがある。というか、ウルトラファンタジーってのも。この帽子が先にあれば、ウルトラファンタジーを買っていたのではないだろうか。わからないが。

OUI SAY OUI (IRE)

 次に中央である。これがいまいちわからない感が強い。OUI SAY OUI (IRE)。同姓同名のなにかがいて、こいつはアイルランド産だよ、という意味だろう。そしてまた、ブリーダーズカップという文字もある。さて、おそらくは出走馬だろう。

 この馬なのだろうが、さて、ブリーダーズカップ何に出ていたのだろうか?

Oui Say Oui has been declared and did not make the trip from Europe.

http://www.breederscup.com/bio.aspx?id=35666

 え、2008年のジュヴナイル・フィリーズ・ターフに出走しなかったのかい? でも、帽子は作っちゃいました的な。となると、これはレアアイテムだろうか。よくわからない。しかし、この馬のお父さんのロイヤルアプローズって欧州最優秀スプリンターだったらしいんだけど(ヨーロッパ競馬とかさっぱりしらねえ。ここのところ競馬ゲームとかやってねえし)、その父がワージブなんだね。ワージブ……。

WISEMAN'S FERRY

 最後にワイズマンフェリー。

 ウェストヴァージニアダービーの勝ち馬らしい。ウェストヴァージニアダービーって、しもつけ皐月賞みたいなものだろうか。よくわからんが。

 現在では種牡馬をしているらしい。馬名の上には「WISEMAN'S CHOICE」とあって、宣伝文句なのだろう。賢い男の選択。サイドにはこの牧場の名前が入っている。

 established in 1793とあるので、いろいろの紆余曲折あっていろいろの人の手にわたり、wikipedia:スタンダードブレッドなどの生産をメーンにしたりもしておりましたが、このたびアイルランドの億万長者、ライアンエアーとかいう格安航空会社やってる人に買収され、サラブレッドの牧場としてやっていきまっせ、ということらしい。いや、ライアンさん死んでるじゃん。まあいいや、それで、ジオポンティとかどっかで聞いたことのある名前の馬とか生産してる。まあしかし、ともかく歴史がある。すげえな。

 ……てな具合に、わりかし面白いので、お前らも買ってみたらどうだろうか。おしまい。(←こういうむちゃくちゃな終わり方をするときは、だいたいリンクのリンクのリンクを読みふけりはじめて、この入力画面から気が散ってる証拠です)

で、ハッツオフしたければ

 とりあえずこちらのサイトをお読みください。あと、いろいろの競馬場でやっているのかもしれないので、それぞれ見ればいいと思う。