空を撮るにはもってこいの日


 徹夜明けた空見るとお月様が雨雲を追いやって今日は晴れるのだろうと思い布団に入る。

 ジェット機の轟音に目が覚めて、数秒、思い当たることあってはね起きて見あげれば見事な五本のヴェイパートレイル。まずiPhoneで撮って、α550も部屋にあること思いだして持ちだしてみて撮る。しかし、遅いのだ、わざわざブルーインパルスが俺の部屋の前で展示飛行をしてくれたというのに。

 空を撮る日和と決めたので外に出る。俺のいる界隈の横浜はじまったな。本牧の方までたくさん。

 俺はこういう壁面緑化が好き。

 さて、俺はまったく死にたいので、この世の終わりみたいなところに行く。

 いつもの面白フェイスのあいつもいる。

 たまに場所を変える。その「たまに」を待って、十数分くらいなら自転車にまたがったままポケーっとしている俺、マレットゴルフする年寄り、ここを観光地と騙されて来てしまった中国人観光客。

 絶対にこっちに来やしないのだし、来たところで困る。

 しかし、それよりも、ミス慶応よりも、空を撮ろう。

 しかし、カメラ男子はモテるという話だが、いっこうにモテる気配がない。湘南ボーイで慶応ボーイなのにモテる気配はいっこうになかったし、結局そのどちらでもなくなってしまっているのだし。

 しかし、一瞬モテかけたのだった。きょうだいかなにかの小さな子供が撮ってほしそうな感じで近づいてきたのだった。でも、俺はカメラを置いてiPhoneから聞こえる日本シリーズに集中したのです。解説者が谷繁がゴロを打たなかったことを責めていたのです。その解説者の前田さんがどの前田さんかと思ったら、前田幸長なのでした。なぜか天才前川の顔が先に浮かんだのでした。

 まあ、日本シリーズも、谷繁の好リードも、どうでもいいのだけれども。

 ゆっくり菓子パン二個食って帰り際、あいつは居場所を変えていて。

 ポケーっと見ていたら、また居場所を変えた。
 じゃあ、また。
 また、があるかどうか知らないが。

 まったくくだらないし、どうでもいいのだけれども。

 わりかし、この瞬間、死神みたいなのが来ても気にしない。

 天使が来るなら歓迎だ。EMT。

 EMT、むしろ、器の大きな人の唄。

カービガハエテモキニシナイー (カビが生えても気にしない)
ヤーネガナクテモキニシナイー (屋根がなくても気にしない)
ウーシロマエデモキニシナイー (後ろ前でも気にしない)
トーシヲコシテモキニシナイー (年を越しても気にしない)

器の大きな人の唄とは (ウツワノオオキナヒトノウタとは) [単語記事] - ニコニコ大百科


 まあ、俺は気にしすぎることを突き詰めて気にしなくなったという境地のところまで行きたいし、わりと遠くないし陳列されていた木製バットで妥協するのかもしれないが、フルスイングするなら自分の頭だろう。どんなフォームで打てばいいのか、まったく想像はできないのだけれども。