小さな揺れで目が覚めた。
— 黄金頭 (@goldhead) 2014, 3月 11
おれはこのごろ眠りが浅い。いくつか思い当たる理由はある。
精神状態がよくない。精神科医が「これはもう薬ではどうにもならない」と、ある意味でさじを投げられた。さじは投げられるが、タオルを投げ込んでくれるセコンドはいない。賽を投げては悪い方に進む人生ゲーム。これが原因で早朝に一度か二度目をさますことになってしまった。ありうる。
ちなみに、おれが深い眠りを希望したところ、愛すべきレスリンの強いのだか新しいのだかのバージョンがあることを匂わせたが、「ジプレキサ二倍にしましょう」ということになった。そして、今は入眠できているのだからアモバンでいきましょうと。このあたりは多剤投与対策のガイドライン導入と関係あるかはしらない。
レスリンはいい薬だったと思う。ただ、ジプレキサも眠りの深さに効く……と言ったり言わなかったり医者の言うことは少しあやしい。おれはきちがいだけれど、よく見てるぞ、聞いてるぞ。
それはそうとジプレキサ二倍はなにか日中の調子が狂う。朝も起きられない。最初の日は一日クラクラしていた。最初にジプレキサを飲んだときくらいだった。しかもおれはこいつの副作用を恐れている。それ以来、一錠にしたり二錠にしたり適当にやっている。
酒を飲んでいる。はじめは「寒い外から寒い部屋に帰ってきたときに部屋でサモワールの準備をする下僕がいないのは理不尽なのでせめて薄い焼酎のお湯割りくらい飲んでもいいだろう」という言い訳があったが、最近では安いギルビーズのジンをストレートで入れているのだから仕方がない。一応は「金曜日だから」だの「土曜日だから」だの「今日はとくべつ疲れたから」だの理由はつけているが、飲酒日とそうでない日のどちらが多いかは知らない。叱られるので医者には言わない。ただ、このせいで薬のすばらしい効果を打ち消している可能性は高い。高いが、おれのQOL的には酒が必要なんだと思う。
もっと直接的にスリープスプリント(睡眠時無呼吸症候群用マウスピース)をうっかり踏みつけて大きなヒビを入れてしまった、というのもある。というか、そもそも定期的な調整が必要なものではなかったろうか。最初に作ったときも、着用後一週間経ったら来てくれみたいな話があったはずだ。ところが、あまりの効きのよさに「もう医者に話すことはないな」とばかりに放っておいて4年くらい経っている。4年も経てばおれの歯の具合も老いているだろうし、スリープスプリントだって劣化しているかもしれない。大きなヒビを入れてしまう前にも「そろそろ調整してもらうか……」と思っていた。が、大きな市民病院、予約からして面倒そうだし、「おまえは前回から時間が経ちすぎてるから、もういっかい町医者行って紹介状な」とかになった面倒だし金が無い。もう一回睡眠外来で入院検査するとかになったらどうする。まあ、直接行けたとしても初診料に当たる数千円は確実に取られる。もしも作り直しとなったら万単位で金が飛ぶ(ような気がする)。一応は年度末で忙しい。金もない。4月か5月にでも……とは思っているが。
まあ、眠りが浅いといっても、スリープスプリント導入前のような、スイッチの切れてしまうような寝落ちもないし、普通の眠さも少ない……じゃあ対処の必要はないんじゃないか? いや、違う。なにかうっすらとした眠気が頭を覆っている。うすらばかがうすらぼんやりしている。もうちょっとすっきりいきたい。すっきりいきたいんだ。