主人公の圧倒的存在感〜映画『ドライヴ』〜

ドライヴ [Blu-ray]

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 おれはあまり映画に詳しくないので言い切れたもんじゃないが、こいつは傑作じゃあないだろうか。ピタッとした尺の中に、ビシっと決めてみせたところに惚れ惚れする。なにより、主人公の「ドライヴァー」を演じたライアン・ゴズリングに圧倒された。これはもう、例えば『ノーカントリー』のハビエル・バルデムくらいの存在感であって、狂気であって、不気味さであって、なんともたまらんのである。『ドライヴ』の名の通り、車そのものにスポットがあたってもいいような気がするが、主人公にはかなわんのである。どこか虚ろなところがあって、それでも優しい一面もあって、井之頭五郎みたいかな、と思わせて、金づちでガツーンだ。さらには脇役もよくて、もうそのあたりはべつにWikipediaの受賞歴でも見ればいいんじゃねえというところだが、ともかく、おれは、この、主人公の、存在感に、やられてしまったので、ある。
 でもって、その主人公役のライアン・ゴズリングWikipediaを観てみれば、2017年に『ブレードランナー2』の予定があるじゃないの。なんだかわからんが、それはもうしっくり来るんじゃないの。そう思わずにはおられない。そんでもって、デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン監督作品というやつも、ほかにあたってみようかと思っている。いや、マジ、あの、仮面被ってピザ屋の外、とか、たまらんなあ。いや、よかった、マジで。おしまい。