『オンリー・ゴッド』を観る

オンリー・ゴッド スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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 同監督の『ドライブ』と『ヴァルハラ・ライジング』を足して二で割ったような映画。とはいえ、とっつきやすさというか、単純に言って面白さは後者寄りではあるが。
 なにやらマザコンで情けない感じ、けだるい感じのライアン・ゴズリングはよかった。しかし、それ以上に警察官のチャンがよかった。ナイス暴力でむちゃくちゃやってくれる。そしてカラオケで歌う。このキャラは『ザ・レイド』のマッド・ドッグかそれ以上といえる。ナイス・カラオケ。
 とはいえ、おれにとってはそのくらいが見所であって、タイトル(現代「Only God Forgives」)にあるような神話的な意味だの、寓話的な意味だのを読み取る意欲も能力も感受性もなかった。死んだ母親の下腹を裂いて手を突っ込む? そんなことフロイトにでも解釈させておけ。
 しかしなんだ、『ドライブ』は抜群に面白くて、なにかこうズバッときた感じだったのだけれど、『ヴァルハラ』もこれもまるで来なかった。おそらくは作家性の強い(?)監督なのだが、こうも違う。よくわからない。むしろ『ドライブ』がこの監督にとって異色のものだったか?

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