セ・リーグの優勝が決まった今夜、わざわざ西口文也の引退について書く。今年はいろいろの大物が引退または戦力外通告を受けているが、おれにとっては西口が一番の衝撃であった。なぜなら、おれは今まで見てきた中で一番好きなピッチング・フォームの持ち主が誰かと問われれば、間違いなく「西武の西口」と答えてきたからである。ちなみに、おれは今まで生きてきて、だれかにプロ野球選手のピッチング・フォームについてたずねられたことはない。ついでにいえば、プロ野球選手のピッチング・フォームについて述べた以下のエントリーに西口の名がないのは不思議である。
ここに上げられている川村丈夫、森慎二、佐々岡真司、具臺晟のフォームが好きなのは間違いないのだが。躍動感のある西口、好きですよ。
まあいい。ともかくおれは松坂大輔が西武での全盛期のころも「日本のエースは松坂、西武のエースは西口」と思っていた。おれは生粋のカープファンなので西武ファンがどう思っていたかしらないが、西口がそのくらい好きだった。
その西口が200勝できるかどうか、というのも気になるところだった。騎手生活晩年の大崎昭一の勝ち鞍を気にするように気にしていた。結局、200勝も未遂に終わった。でも、西口はすばらしいフォームでボールを投げ込んでいたし、間違いなくエースの称号を得たすばらしいピッチャーだった。西口のフォームがいつか見られなくなるのも残念なことに思えてしかたなかった。まあ、岸孝之のフォームが西口を思わせるところがあるので、その点での継承はあるのだと思いたいが……(松坂→涌井、というラインもあるのかな、フォーム的に。涌井はチームから去ったけど)。
とはいえ、西口がユニフォームを脱いでしまう。あの投げ終わりのポーズも見られなくなる。残念である。2005年のエントリーで名前を挙げていなかったけれども、本当にそう思う。だからこうして書き残す。
……自分の贔屓チームについて「ついでに」と書くのもなんだけれども、ついでに書くと河内貴哉に戦力外通告がなされた。苫米地鉄人に河内貴哉、あのころのカープ。長く現役を続けたのは河内だった。栄光の背番号24。こちらは西口と違ってフォームが安定しなかったなあ。左殺しのワンポイントとしてもう少し見たかったけれども、そうもいかないという判断がなされたのだし、本人もそう思っているのならば仕方ない。時代は変わっていく。とはいえ、広島は優勝できないのは変わらない……ぐぬぬ。