ショットガンで頭ふっ飛ばしたいおれの頭を、なにかものすごくいやな液体の中をたまに息継ぎしながら陸地はどこにも見えず、左側の頭がずっと痛くて痛みは取れなくて、夜は水を入れて凍らせたペットボトルを抱いて寝ているそんな日々はおれの頭はショットガンで吹っ飛ばされたがっていて、頭が吹っ飛ぶのはショットガンでいいのかという疑問が吹っ飛ばされたがっている頭をよぎるのだがショットでガンという響きを採用するし、おれが歩道を歩いて突っ込んでくるのはキャンピングカーではなくてダンプカーがいいというのと同じだし、死に方くらいダンディなのがいいんじゃないかって思って、それもまた贅沢なのだろうが、ただしそういった事故で死ぬのはそれほど人に迷惑をかけない感じもして、加害者になにかを押し付けるようで卑怯な態度だとは思うが、人に迷惑をかけないで自殺する方法というのはおれのような中途半端な社会不適合者の精神病者には考えることを義務づけられているのであって、このくそ暑い夏に「凍死」というのはいいのかもしれないと考え始めていて、冬山に一人入り込んで睡眠薬やら大量の薬を飲んで、大量の酒を飲んで、そのまま眠り込んで死んでしまえればいいのだろうが、うっかり起きてしまって壊死だのなんだので生き残ってしまっては迷惑だろうし、ショットガンは松影町あたりの暴力団で売っているのかどうか知らないので(「すみません、ショットガンください」「そういうのはほかをあたってくれませんかね」「はあ」)、世の中のダンプカーの運転手はおれのために天使になって飲酒運転でもしておれを殺してくれ、おれを救ってくれ、その一瞬だけおれは生に触れることができるのだから。